169:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/04(金) 21:42:57.48 ID:NmiHnAw60
―嫉妬する上条―
「あれは…………御坂か?」
放課後、いつもの公園、見慣れた茶髪に見慣れた制服。
…………そして、初めて見る男の姿。
ベンチに座り、談笑している。
「なんだ、アイツにもちゃんと男がいるじゃねぇか」
だったら俺に突っ掛かって来ねぇで、男の世話してろよ。
少し離れた位置で呟く。
呟いてから、なぜか自分が不機嫌なことに気付く。
「…………話が終わるまで待つか」
用事なんて無い。
ただ、このまま帰るのも癪だった。
当ても無く公園をブラブラする。
「待って、なにするんだよ……」
本当は分かってる。
自分はアイツにあの男のことを聞くのだろう。
さっきのは彼氏かって。
聞いてどうする?
肯定されたら?
自分はそれを応援するのか?
「帰るか……」
このまま留まっても、思考が変に傾くだけだろう。
もう帰って寝たほうがスッキリするかもしれない。
いや、スッキリしたい。
考えたくない。
ベンチを、二人の前をわざと横切る。
いつもそこにいるのは俺だ。
お前じゃない、という気持ちをこめて。
「あ、ちょ、アンタ!」
呼び止められるが無視する。
お前はそこで男といちゃついてればいいだろ。
俺にかまうなよ。
「ま、待ちなさいよ!ねぇ!」
いつもならここでビリビリっと電撃が飛んでくるはずだ。
右手がつい動きそうになる。
しかし実際は飛んでこない。
ああ、そうか。
彼氏の目の前で電撃なんて飛ばさないよな、普通。
ほんの僅かな違いにもネガティブな思考が生ま――
「待てって言ってるでしょうがこらーっ!」
「ごふっ!」
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