4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/02/20(日) 20:51:05.74 ID:xLNcRDr80
「……あれ?」
案の定と言うか、必然というか彼のペンが止まる。
止まらなかったらそれはそれで問題だ。
問題を見ながらフリーズする彼に、彼の努力を否定する。
「アンタ、頑張っているところ悪いけど1行目から間違ってるわよ」
「へ?………………悪い、どこが間違っているのかわからねぇ」
「だから、ここが間違ってるのよ。正しくはこうよ」
彼のペンを奪い取って、彼の目の前に置かれた紙に書く。
5秒ほどで式を書き終えた後、彼にペンを返す。
「ほら、もう一回」
「あ、ああ…………」
彼はどこか落ち着かない様子で、問題に集中できていない。
私がプリントに目を落としている間、ペンは空を彷徨うだけだった。
「………………やりなさいよ」
ジト目で彼を見る。
彼は私を目を合わせようともしない。
そんな態度に少しだけムッとする。
「で、できればですけど……」
「なによ」
「もう少し……離れていただけると上条さんの精神衛生面がすごく助かるのですが……」
そこで初めて自分が彼とどれだけ接近していたかを知る。
肩と肩が触れ合う距離。
その状態から身を乗り出してプリントを見るものだから、私の頭はちょうど彼の胸元にある。
「―――――ッ!!?」
瞬間、バッと距離をとる。
赤くなった顔を隠すように反対側を向く。
「………………………………………………」
「………………………………………………」
気まずい、沈黙の空気が漂う。
297Res/125.65 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。