過去ログ - 暦「今更するような話でもないけれど」
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35: ◆/op1LdelRE
2011/02/21(月) 23:17:26.82 ID:AaFb7K1U0
 ぱっと思いつくところでは、事前に知ることができたかどうか、ということがある。
前の時は、あいつらが僕の事に気付いたのは、出ていってからのことであり、今回はそれより先に知った。

「それは違うのではないか? その後の対応に差があり過ぎよう。後先はこの際関係ないと見るのが正しいじゃろ」
「だよな。それだったら、前の時だって、帰ってきた瞬間に縛りあげられてなくちゃおかしくなる」

 縛りあげること自体が、そもそもおかしいという話なんだけど、これもさておき。
となれば、一体どういうことになるのか。

「まさか……考えたくはないけど、怪異の仕業とか?」
「下着を脱がす怪異なんぞ、聞いた事はないが」
「やけにこだわるな! そこに!」

 そもそも下着をはいてもいないくせに!

「そこだけじゃなくてさ、今回の一連の行動が、そもそも怪異の仕業とか、そういうことはないか?」
「かかか、いつになく荒っぽいのう、お前様よ」
「いや、笑い事じゃなくて」
「ふむ、まあその懸念は理解できんでもない。お前様はこの短期間の内に、余りにも怪異に関わり過ぎたからの。警戒はしてし過ぎるということはないし、その意味では、実に正しい姿勢と言えよう」

 正しい姿勢であり、確かにあるべき思考であると、忍はそう言った。
言ってしかし、頭を振りながら続ける。

「しかしのう、お前様がそう考えることを是とするかと問われれば、これは判断が難しい。確かに怪異として、または怪異と関わる者としては当たり前のことじゃが、人間としては、それは決して正しい考え方ではあるまい」
「それは……そうかもしれないけど」
「これも怪異に関わることの弊害かの。安易なんじゃ。何か自分に理解できないものがあれば、不都合なものがあれば、それを怪異のせいにしてしまう。それで説明がついたものとしてしまう。実際は何の解決にもなっておらんでも」

 そうして生み出された怪異もまた、存在するのだ、と。
忍は静かにそう告げた。


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