過去ログ - 暦「今更するような話でもないけれど」
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39: ◆/op1LdelRE
2011/02/21(月) 23:28:28.86 ID:AaFb7K1U0
「何を言うとるんじゃ、そもそも常日頃、あやつらを子供扱いしておったのは、お前様の方ではないか」
「ああ、その通りだよ。僕はあいつらを子供扱いしてた――まあ実際子供なんだけどさ」
「では、逆も何もあるまい」
「だからそうじゃなくて、僕の側からの認識じゃなくてさ」

 僕があいつらをどう思ってたかじゃなくて。
あいつらの側からの認識こそが、逆だったんじゃないだろうか?
つまり。

「あいつらは、僕を、子供みたいに思ってたんじゃなくて、むしろ親みたいに思ってたんじゃないかなって」
「何じゃ、それは? それこそ意味が分からんわ。お前様らの親は、共に健在じゃろうが」
「そりゃそうだよ。じゃなくて、精神的な意味でっていうかな」

 その辺の説明は難しい。
けれど、思い当たる節がないでもなかった。
そして、そう考えれば、少しだけ――ほんの少しだけ、あいつらの気持ちが、理解できる気がするのだ。
だってそれは、確かに、自分も通った道だったから。

 だからこそ、僕は考えるべきだったのだ。
考えるべきであり、またそこに思い至るべきだった。
僕にとって、妹達がどんな存在かを考えるのと同じように。
妹達にとって、僕はどんな存在なのか、どんな存在だと思っているのか。
それを思い、或いは想うべきだったのだ。


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