過去ログ - 上条「精神感応性物質変換能力?」
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10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/02/22(火) 02:04:32.73 ID:/pndMPNTo
「やり過ぎにも程があんだよ!」
「バッカお前、あのまま直進してたらこのガキまで粉々だったっての!」
「だから、ガキじゃないってば! インデックスだよ!」
「まあまあ。みんな無事だったのですから、めでたしめでたしですよー」
大学病院の個室。ベッドに押し込められているのは、もちろん上条当麻である。右手の複雑
骨折と、右腕の開放骨折を除けばそれなりに元気ではあるものの、病院に担ぎ込まれた際の惨
状により、複数の検査をこなさなければ退院が許されないそうだ。
着地のダメージさえなければ、もう少しマシだったと、上条はつくづく思う。
「そんなことよりとうま! 何でそんなに無茶したのよ! 一歩間違えたら大怪我じゃ済まな
かったかも知れないんだよ?」
「そりゃまあ、お姫さまを危機一髪で助けるのは勇者の嗜みでありますから」
「……(ボッ)。じゃなくて! 目が覚めたら誰もいなくなってて、天井はなくなってるし、
ごはんはないし! やっとこもえが帰ってきたと思ったら、とうま入院したって……もうっ、
心配したんだからね!」
「ああ、ゴメンゴメン。まあ、ちょっと張り切り過ぎちゃって、な」
「もう危ないことしちゃダメなんだから!」
「はいはい、気をつけるでありますよ」
「でもまあ、今回の件はお前がいなけりゃ解決しなかったんだし、名誉の負傷もたまにはいい
だろうよ」
誇らしげな表情をするカズマ。しかしこの男、風力発電のプロペラに激突してぶっ飛んだの
は上条と同じなはずなのに、どうして何ごともなく見舞っていられるのだろう。
「ははっ、そりゃもう。こんなことが二度あったりしたらヤバいって」
「そうですよー。上条ちゃんは学生なんですから、まずはそっちを人一倍ですね――」
「――はッ! そういや補習はどうなったんでしょう先生?」
「大丈夫ですー、退院に合わせてきっちりスケジュールを組んでおきますから!」
「活躍に免じて免除、とか、は?」
「それはまあ、表沙汰にできる活躍でしたら融通も利いたとは思いますけどー」
「ですよねー(不幸だ……)」
歓びと労いが一段落して、小萌先生が席を立った。
「さて、それでは先生はこれで失礼するのですよ。帰って天井を修理しなければなりませんか
ら−」
「あ……」
「ごめんな。悪りい。すまねえ。許せ」
「いいのですよー。そのおかげで助かったのですから!」
と、屈託のかけらもなく去っていく小萌先生の漢っぷりに、全員が嘆息する。
「大物だ……」
「大物だね……」
「……元の部屋がアレだもんな。たぶんベニヤ板かなんかでやっつけるんだろうな」
「違いねえ」
そしてもう一人、今回の功労者であり、馬力担当である男も暇を乞う。
「さて、と。じゃあ俺は行くぞ」
「ああ、色々とありがとな。寄り道させちまって、悪かった」
「ん? いや、けっこう楽しかったぜ」
拳を合わせる二人。
「またな!」
「ありがとう、かずま! またね!」
大丈夫だ。この少女の笑顔にはもう、一片の翳も射していない。
うしろ姿、アルターを秘めた右手を軽く振って――
「あいよ!」
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