過去ログ - 上条「精神感応性物質変換能力?」
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102:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[saga]
2011/04/12(火) 02:11:48.65 ID:46Oknto7o
「それで、君たちは『計画』に反旗を翻すことにした、という訳なんだね?」
「はい、とミサカは簡潔に応えます」
「具体的には、どんな手立てを講じるのかしら?」
親指を勇ましく突き立て、一九〇九〇号は言い放った。
「第一に『シナリオの放棄』です、とミサカはミサカネットワーク側の改訂脚本を提示します」
「シナリオ? ――ああ、あの鉄屑が吐き出した二万通りね」
「指定された戦場に於ける指示通りの攻撃、それが九九八一のミサカを死に至らしめた最大の
要因です、とミサカは結論を先に述べます。初撃の達成までの手順にミサカの介入する余地は
なく、追加の武装は考慮されず、故にミサカたちの戦闘は常に失敗から開始されました」
そこで一旦、言葉を切り、一九〇九〇号は苦渋を吐き出す。
「……『第一次実験』に於いてミサカ一号に与えられた武器は、一挺の自動拳銃だけでした、
とミサカは憤りを込めて申し添えます」
「はあ? 『学園都市第一位』相手に拳銃一挺? そんなの、竹やりで『駆動鎧』に挑む方が
まだ勝算が高いわよ!」
美琴の入手したレポートには、例えば『第一〇〇三二次実験:「反射」を適用できない戦闘
における対処法』のように概略のみが綴られ、使用される『能力』や『装備』についてまでは
知り得なかった。だから想像が到らなかった――そんなバカげた設定がまかり通ったことに。
「酷いな……実に酷い……」
カエル顔の医者の呟きに怒気が混じっている。泰然自若を旨とする彼には、およそ有り得べ
からざることだ。
それでも冷徹を崩さない布束が、静かに訊いた。
「では、最新の『実験』に使用された兵器はどうなのかしら?」
「『第九九八二次実験』に於いて支給されたのは、アサルトライフル一挺と対人地雷一個です、
とミサカは――」
空間の裂ける音が響き、一九〇九〇号の返答はそこで途絶した。紫電を纏った美琴の怒髪が
天を衝いている。
「……竹やりが釘バットにグレードアップしただけ、か。九九八一の命を生贄にした挙句が、
『その程度』とは、どこから見ても愚作極まりないわね」
いまの彼女に不用意に触れると、関節があり得ない方向に曲がるだろう。そんな声だ。
「そう。スケジュールの半ばに差しかかっているとは到底思えない内容ね。――始めから完成
させる気がないと、邪推しても仕方のないほどに」
「……ッ!」
音速の三倍で飛び出そうとする美琴を、強面のカエル顔が抑える。
「まあ、勘繰るのはあとにして、続きを聞こうじゃないか」
それでは、と一九〇九〇号が説明を再開する。
「『実験場に行かない』という行動により戦闘を忌避し、『実験』の成立を不能にします、と
ミサカは第一章の梗概をしたり顔で発表します」
「なるほど。しかし、ネットワークから『上位命令文』が送られたらどうなるね?」
「『上位命令分』として有効なのは『行動の停止』と『演算能力の徴発』に留まり、ミサカの
行動そのものを操作することは出来ません。従って、ミサカが自発的に参加しない限り、その
『実験』は開始にすら到らないのです、とミサカはこの支配からの卒業を謳い上げます」
「however、強制停止されてしまったら――」
「そこで第二章ですよ、とミサカは人さし指であなたを差して勢いに乗ります。通常、『実験』
が実施される際には三〇名のミサカが現場処理のために待機するのですが、そこに一人のミサ
カが紛れたとて、あの男を含め他の誰にも判るはずなどある訳がないのです、とミサカの確信
がこの計画の脆弱な確信に迫ります」
と、ここまで書いて日常と虎兎と火球と銀魂とアザゼルさんを見るのに忙しくなったので、
暫く休みます。まあ、このままエターなってもそれはそれで誰も困らないかと。
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