過去ログ - 上条「精神感応性物質変換能力?」
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22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/02/23(水) 05:31:06.63 ID:PpVfCaewo
「これはアレ? 二対二の状況になっちゃったってことですかー?」
「どうだか。ああなっちまったら、ここにいる全員殺すまで止まらないかもな」
「ってことは、まさかのみつどもえェー?」

「魔女狩りの王、イノケンティウス。その意味は『必ず殺す』。……必ず、殺す……」
「うはははははッ! こいつは面白れえ。――おい当麻! このあんちゃんは俺がもらった! 
そっちのおっさんは好きにしな!」
「お、おう! ――インデックスを『救った』男の実力、見せてやるぜ!」

 その台詞が、二人の男の逆鱗に、触れた。

 アウレオルス=イザードは思う。この男をぶち殺さなければ、己の自我が死んでしまうと。
 ステイル=マグヌスは思う。この邪魔者をぶち殺してしまえば、あの笑顔が自分に向くと。

 視線を交わす二人。――かつて同じ場所に立った二人。同じものを願い、求めた二人。失敗
した二人。敵として対峙した二人。
 ――その、二つの魂がいま、共通の敵を前に、一つになる。

「倒れ伏せ! 侵入者の上条当麻と……」
「カズマ、こいつはカズマだ!」
「――カズマ!」
 早速の協力体制が、上条とカズマをその場に打ち倒す。重力の腕が、二人の自由を奪う。
「くくくくくッ! これで動けまい。簡単には殺さんぞ! 私の痛みを、絶望を、じっくり味
わせてくれる!」
「……そうだな。五分刻みに灰にしてやろう。まずはその、邪魔な右手を切り落として――」

「チ……ッ! そう……は、させ……るか……よ……」
 床に張りつけられた右手を、上条は力ずくで引き寄せる。こいつが触れれば、この重力は消
える……はず、だ。

「こんな……モンで、行く道……退いて……られっか……よ……」
 壁や床のわずかな歪み、隙間から、分解され、再構成されたアルターがカズマに流れ込む。
黄金の装甲が、腕に、脚に、やがて全身に広がっていく。

「『魔女狩りの王』!」
 その一言で、炎の巨神は燃え盛る十字架を構え、上条の右手に狙いを定める。
「死なぬ程度に窒息せよ!」
 その一言で、上条の気道は針のごとく細くなり、呼吸がほぼ、不可能になる。

「カ……ハ……ッ……」
 膨大な重力に加え、困難な呼吸、迫る十字架。同時にこなすにはキツ過ぎる脅威に、上条の
意識が暗転し始める。あと、少し。必殺の、右手……。

 轟! と上条に振り降ろされる十字架。その瞬間、金色の風が渦となり、『魔女狩りの王』
を四散させる。背後から、低く、しかし力強いカズマの叫びが聞こえる。
「もっと……もっと、だ……もっと……輝けええ……ぇええ……ええええ……ええッッ!」
 自動的に再生される『魔女狩りの王』、しかしその姿は四散と融合をくり返している。カズ
マのアルターが再生の速度と拮抗し、上条を守っているのだ。
「……(すげぇよ、アンタ。ホントにとんでもねえ)……ッ」

 そして、上条の手が、顔に触れた。



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