過去ログ - 上条「精神感応性物質変換能力?」
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39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/02(水) 02:00:45.46 ID:n9h629k6o
「……その『レベル』ってのは、そんなに大事なのか?」
かつて『Cマイナス』とランク付けされた男、カズマが憤りに満ちた問いを放つ。
「ここは『そういう』ところだから、レベル分けにはそれなりの重さがあるようだね? 上を
目指す為に身を削る者もいる。でも、研究者たちが『絶対能力者』を求めるのは、そのレベル
自体はただの手段であって、『神ならぬ身にて天上の意思に辿り着くもの』、つまり、人間を
超えて『神の領域』に到達するのが真の目的だと、彼らは言っているね?」
「けっ、そいつらも結局、強いヤツを使って『向こう側の力』が欲しいってか。くだらねえ」
「『向こう側の力』?」
「あるんだよ、そういうのが。――そんなことより、その実験ってヤツをぶっ潰すにはどうす
りゃいい? あの白髪のガキをブチ殺せばいいのか?」
「そうね。それが一番手っ取り早いわ。唯一の被験者がいなくなれば――」
「おいおい、目の前にいる男が医者だと判ってて、それを言うのかい?」
「……昨日の実験は、第九九八二次。解る? あの子の前に九九八一人の『妹』が殺されてる
のよ! 許せる訳がないじゃない!!」
それでも、と飄々とした口調を別人のそれに変えて、カエル顔が宣告する。
「子供を殺すのは、僕が許さない」
「そいつが九九八一人を殺しててもか?」
「ああ、そうだ」
三人の間の空気が、嫌な音を立てて軋む。一番短気な男が、面倒になって妥協した。
「チッ、しょうがねえ。そんなら、死なねえ程度にボコってやるよ。それで構わねえな?」
「いや、残念ながらそれは無意味だ」
「何だと」
「――被験者が生きている限り、実験は止まらない」
「そういうことだ、カズマ君。だから君たちが殺すのは、実験そのものでなければいけない」
「実験そのもの?」
「ああ、いくつか考えられるが……そうだな、実験の存続が不可能になるまで、施設と設備、
情報を破壊し続けるという策がある。しかしこれには消耗戦になるというデメリットがある。
敵には圧倒的な資金と物量、それに権力があるが、君たちは二人だ」
「俺は構わねえぞ。ついでにこの街を更地にしてやってもいい」
カエル顔の色がほんの少しだけ、蒼くなる。この男の三白眼には嘘の色がない。やると言っ
たら本当にやってしまいそうだ。『一方通行』の許から獲物を奪って来たというのが事実であ
れば、それはこの男に敵う『能力者』がいないことを意味する。アルターというのはそこまで
がアリなのか。それに彼の言う『向こう側の力』が、SYSTEMと同義だったとしたら――
「彼女たちの身体は、医学的な調整を受ける必要があるんだよ。それもこの学園都市にしかな
い最先端の技術で。だから手当たり次第に、という訳にはいかないんだ。君に標的の見分けが
つくのかい? 君がどれだけ強くても、彼女が倒れたらそこで終わってしまうんだよ?」
実際は外部の施設でも調整は可能、という事実を伏せたハッタリが、御坂美琴に通ってくれ
ることを祈りつつ、カズマという男に釘を刺す。
「私は倒れないわよ。迷わずに最後までやると、もう決めたから」
「イザとなったら背負ってやるよ。行き先は任せたぜ」
ダメだこいつら、早く何とかしないとブッ飛んで行っちまう。
「ま、まあ待て。他にも策はあるんだ。全ての可能性を計算してから動くべきだろう?」
「それもそうか。そんなら、一番イイのを頼む」
「そうね。もっとイイ手があるなら、リスクは最大で構わないから」
危うく『覚悟』のキマった『超電磁砲』と『アルター使い』を、フルスロットルで野に放っ
てしまうところだった。ことは慎重を要する。
「双方が最小の損傷で決着する、それが、実験の価値を失わせて、彼らに計画から手を引かせ
るという策だ。これには、二万人を殺害しても『絶対能力者』には進化しないことを証明する、
唯一の被験者である『一方通行』を説得して『計画』から手を引かせる、『一方通行』の『最
強』という前提を覆して『計画』の方から彼を見放させる、などの手が考えられる」
聞くだけは聞いた美琴が、ジト目でカエルを睨む。
「ひとつ目は、不可能に近いわね。その為には『樹形図の設計者』を上回る予測演算と理論が
必要になるけど、先生のツテでそれが手に入る? ふたつ目はもっとあり得ない。既に九九八
一人を殺した男が、残りの一〇〇一九人を見逃して『絶対能力』を得る機会を失うだけの、ど
んな理由を用意できるというの?」
そこで一旦言葉を切り、美琴は怒りに満ち溢れる。
「みっつ目。一体誰が『一方通行』を最強から引き摺り降ろすのよ! 『第一位』を『第三位』
の私がヤったところでそんなもの、誤差の範囲内よ。『樹形図の設計者』がその日の内に修正
案を演算して、『計画』は続行されてしまうー!」
その勢いのままカズマを指差し、美琴の怒濤は続く。
「この、化け物みたいに強い人が『あのクソ野郎』をブチのめすのは、そりゃ簡単でしょうよ!
でもね、外部から来たイレギュラーがひと暴れして去って行きましたなんて、そんな馬鹿げた
話は、たとえ目の前で展開したとしても、『なかったこと』にされるに決まってるじゃない!
この目で見た私が、まだ理解できてないんだから!」
まあ、落ち着けよと、猛る美琴を宥め、カズマが問う。
「つりーだいあぐら、ってのは何だ?」
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