過去ログ - 上条「精神感応性物質変換能力?」
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40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/02(水) 02:01:49.54 ID:n9h629k6o
そこか! と把握したカエル顔が解説を始める。
「簡単に言うと、世界で一番賢いスーパーコンピュータというモノだ」
「ぴゅうた? 何だソレ」
そこからか! と唖然としたカエル顔が解説に挑む。
「コンピュータとは、面倒で複雑な計算を人の代わりにやってくれる便利な機械だ」
「なるほど。で、それの親玉がつりーなんたらなんだな?」
「まあ、そういうことだ」
「ソイツはそれで、この街の人間を支配してるのか?」
中間を全てスッ飛ばし、この男は核心の手前に落ちる。
「そう、それがこの街の本質。私が嫌いなモノ」
「そうか。それはどこにある? その野郎をブチ壊せば『やり直し』に、ならないんだろ?」
美琴の目が、悔しげに天井を睨む。立てた指で中天を指す。
「そこよ。お空に浮かぶ『おりひめ沚』の中に鎮座マシマシてるのよ」
「それがどうかしたか?」
「どうって。相手は空の上、八〇〇キロも離れた衛星軌道上に浮かんでるのよ。そんなモノを
どうやって壊せばいいの? この街のどんな『能力者』だって、あの『一方通行』の『能力』
ですら、八〇〇キロ先の標的を破壊することなんてできないのよ!」
「へえ、そんなモンか」
「何よ! アンタならできるとでも?」
「まあ待て。まず、そのおりひめってのは、どんな形をしてる?」
「それなら、これだ」
カエル顔が『書庫』から引き出した『おりひめ沚』の画像を、カズマに見せる。巨大な地
球を背景に、四本の長い太陽電池パドルが特徴的な人工衛星の姿がある。この男にこれがどう
いうモノか理解できるのだろうか、いや、そもそも衛星の後ろに写っている青い天体が、いま
足をつけている地球であることすら、認識が怪しいのでは、とカエル顔は思う。
「OK、刻んだ。あとは場所か。よし」
と、言うなり立ち上がり、カズマはドアに向かう。
「ここじゃ物が壊れる……屋上へ行こうぜ……久しぶりに……」
「え?」
「え?」
その意図を理解できず、仕方なしにカズマのあとを追う二人。この男は何をするつもりなん
だろう? まさか……
× × ×
「ヤツはどこだ?」
病院の屋上、晴れ渡る夜空を見上げてカズマが問う。
「え? うん。ああ……」
カエル顔が携帯端末のキーを叩き、『おりひめ沚』が周回する極軌道のデータを呼び出す。
一〇〇分をかけて地球を縦に一周するその軌道は、周回毎に少しづつ西へずれる為、常に同じ
位置に見える静止軌道とは違って、「ほらそこだ」と簡単に指し示すことができないのだ。
「……ええと、そうだな。この時間だと、ニュージーランド沖上空を北上しているから……。
うん。あの辺りを三〇分後くらいに通過するね?」と、カエル顔は東の空の一点を指した。
「三〇分後だな、判った」
屋上の柵を原子レベルで分解しつつ、カズマが了解する。やがて、その全身が黄金の輝きを
纏っていく。
「ちょ、ちょっと! 何をするつもりよ?」
「ま、まさか君……」
「ちょっと待ってな」
気軽な調子で二人に告げると、黄金の尻尾が屋上を叩く。そして、カズマという名の一個の
弾丸が、地球の引力に逆らって射出された。
「行っちゃった……」
「行ってしまったね……」
満天の星空を駆け上がる、金色の軌跡。残された二人はただ、立ち尽くすのみ。
× × ×
「コイツか……」
青い惑星を背景に、極寒の宇宙空間に立ち『おりひめ沚』と向かい合うカズマ。その身体
は金色の膜に覆われている。
「この鉄クズが、あのガキの命を弄ぶ『実験』を吐き出しやがった……」
カズマの右腕に眩い光が収束する。
「いいぜ、『つりーだいやぐら』。テメェがアイツらを自分の思い通りにできるってなら――」
五本の指を鋼鉄より硬く握り締めて、
「――まずは、そのふざけた『計画』をぶち殺す……ッ!!」
かけ声もなく、技名を叫ぶでもなく、ただ一途にカズマの拳が『おりひめ沚』を貫き、軌
道線上に超高度並列演算器の残骸をぶち撒いた。
× × ×
「あ! 流れ星!」
「……御坂君。乙女のフリをするのは、もう無意味だと思うよ?」
「うるさいわね! たまには可愛いところを見せておかないと――って、あッー!」
「……墜ちたね」
「……そうね」
「あれはやっぱり……」
「そうね……」
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