過去ログ - 上条「精神感応性物質変換能力?」
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43:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/02(水) 02:03:35.14 ID:n9h629k6o
× × ×
「七割、といったところね」
『能力』の過剰使用による憔悴に荒い息を吐き、美琴が報告する。連中のヘッドクォーター
の混乱を想像して、凶暴な笑みが零れる。
「そんじゃお次は、実力行使だな!」
「ええ、そうよ」
俄然、やる気を漲らせるカズマ。疲れを圧して、やはり漲る美琴。
「目標はお前が案内してくれるんだよな?」
「そう。私の言葉通りに走れば、そこに敵があるから」
しかしここで、カズマが初めての不安顔。
「でもな? コレの使い方が未だにイマイチ訳判らねえ」
手に掴んだ携帯電話を、カズマが頼りなげに振ってみせる。何このバカ、ちょっとかわいい。
「コイツが振動したら、この赤いボタンを押して耳に当てる、それだけよ!」
特性のツンデレを遺憾なく発揮し、美琴がカズマを叱咤する。
「うん? ああ、そうか?」
「ああ、もう!」
と、自分の端末を叩き、登録したカズマの携帯を呼び出す美琴。
「とるるるるるるるるるる!」
「うお!」
「ほらっ! 赤いボタン!」
「はい!」
ぽちっ、と押される赤ボタン。慌てて耳に押しつけられる携帯電話。
「もしもーし」
「うおお、声が! コイツから声が!」
「だから! そういうモノなのよ、コレは!」
「うひゃひゃひゃひゃひゃ! 何コレ面白れえ!」
「はあ……」
ため息に似た苦笑と共に、美琴の前途が二割ほど曇る。
「あとは放っておけば勝手に切れるから、それだけだから!」
「おう、任せろ」
「……そうね。ああ、そうよね」
気を取り直し、敵の姿を虚空に睨み、御坂美琴は走り出す。カズマも地を殴って飛んで行く。
この奇妙なパーティーの戦いは、いま始まったばかりだ――
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