過去ログ - 上条「精神感応性物質変換能力?」
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49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/03/06(日) 23:08:20.89 ID:/YtqN7c5o
「よっ! 待たせたな」
 Sプロセッサ社・脳神経応用分析所の正面を睨む美琴に、着地したカズマが声をかける。
「私も来たばかりよ。――見て」
 現存する最後の研究施設に、重装備に身を固めた学園都市の犬どもが群がっている。
「雁首揃えてお待ちかねってか」
「裏口も固められてたわ。どうやら、情報の移送より私たちの迎撃を選んだようね」
「ってことは?」
「ここを潰せば『実験』は壊滅的なダメージを受ける、ってことね。他は灰になったから」
「そりゃ、好都合だ」
「まあね。この資料に載っていないどこかに、情報が集められているのは間違いないから、
いずれは再開されると思うけど、これでかなりの時間が稼げるわ」
「よし。始めるとするか」
「ちょっと、作戦は?」
「正面から打ち砕く」
「はぁ、まあアンタはそれでいいかも知れないけど――」
「お前は上からだ」
「へ?」
 カズマが美琴を姫を扱うように抱き上げ、――そのまま夜空にブン投げる。
「シェルブリットォォオッ!」
「ちょっ、まぁぁぁぁぁー!」
 高い高い放物線を描き、美琴は脳神経応用分析所の屋上へブッ飛んで行った。

「なるべく派手に、だよな。ああ、任せとけ」

 彼は、誰かに聞かせるように呟くと、地上に降り、軽い足取りで敵に歩み寄る。
 彼は、路面を手当たり次第に原子分解して、金色の最終形態に変態していく。
 彼は、止まらねば発砲するという警告を聞き流し、全員に布告した。

「さあ喧嘩だ! 喧嘩をやろうぜ! ド派手な喧嘩をよぉ!!」

               ×    ×    ×

 ドッギャァーン! ドグチアッ! メメタァ! メギャン! タコス! ズキュウウゥン!

               ×    ×    ×

「正面ゲートが超突破されたようですね。天井から降ってくると思ったのに、超残念です」
「あんな雑兵が百やそこらいたって、まあ無駄だわね」
「結局、私らじゃないと無理だって訳よ」
「大丈夫。いつも通りにやるだけ」

 結成以来、無敗を誇ってきた面々の表情はゆるい。学園都市の暗部に触れる生業にしても、
この四人が機能する時のチームは強過ぎた。強敵と呼ぶに値する存在には遭わず、計略で上回
れた経験はなく、得心するだけの動機を見たことも、同情に足る地獄に踏み込んだこともない。

 だから慢心が許されていた。真の恐怖を知ることなく生かされていた。昨日までは。

               ×    ×    ×


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