過去ログ - 上条「精神感応性物質変換能力?」
1- 20
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/02/22(火) 02:02:36.63 ID:/pndMPNTo
 無理だろ、と、言いかけてよく考える。……いや、この男は『あの』神裂の許から俺を担い
で来たと言った。魔術を使うまでもなく、アスファルトや街灯、街路樹を豆腐のごとく刻んだ
あの神裂が、ただの通りすがりに黙って獲物を渡す訳がない。そこには相応のやり取りがあり、
その上で獲物の所有権が移動した、ということになるだろう。ならば、やはりこの男は――

「――いや、そうかも知れないな。その位でもおかしくない」
「だろ。大体、この街にだって昨日のねえちゃんみたいなバケモンがいるじゃねえか」
「あれは……、いやあれは違うんだ。神裂はこの街の『能力者』じゃない、『魔術師』だ」
「まじゅつし? 何だそれ? 食えるのか?」
「『才能ない人間が、それでも才能ある人間と同じ事をするために、生み出された術式と儀式』
だとか。いや、俺もまだよく解らないんだけど、炎の剣だの炎の巨神だのは実際に、この目で
見てる」
「へえ、そりゃ面白れえ。今度見つけたら教えてくれ」
「ははは。関わらない方がいいと思うけど」
「で、お前はどうなんだ。この街にいるってことは能力者なんだろ?」
「俺? 俺はこの街の基準でいうとレベル0、無能力者ってやつ。ちなみに一番上はレベル5」
 と、包帯まみれの右手をかざす。
「ただ、ちょっと変わった『右手』を持っててさ。こいつは『異能の力』によるものなら、た
とえ神様の奇跡だろうが打ち消してくれるって代物なんだと」
「アルターもか?」
「超能力と魔術に有効だってのは体験したけど……」
「そりゃそうだ、試してみねえと判んねえよな。っと、これでいいか」

 カズマはちゃぶ台の上の山盛りの吸い殻(スモーキーマウンテン)に拳を向け、軽く力を込
める。原子レベルで分解されたスモーキーマウンテンが、アルターに再構成され、カズマの拳
に手袋状の装甲が現れた。

「消してみてくれ」
「よ、よし、やってみる」
 包帯を外す必要があるのか迷ったが、とりあえずそのまま触ってみる。硬質な、それでいて
脈打つような感触と同時に、バヂッ、という衝撃が走り、上条の右手が弾かれる。
「あ痛たたたっ!」
「おー、消えた消えた!」
 アルターの消失した右手を面白がるカズマ。包帯に血を滲ませる上条。
「あ……悪りい。すまねえ。許せ」
「いや、大丈夫。ちょっと痺れただけだから」
「いつもは違うのか?」
「いつもは……特に変わらないかな。炎の十字架も電撃も熱くはなかったし」
「そっか。まあ、モノにもよるんだろ」
「謎だ……。てか、使い方ってこれで合ってんだかどうだか……」
「――そういや、アルターを吸い取る奴、ってのはいたな」
「うわ、そっちの方が便利じゃね?」
「そいつは吸い切れなくなって自爆したけどな」
「いやー、やっぱ俺の相棒はコイツしかいないって! マジで!」


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
202Res/279.72 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice