過去ログ - 上条「精神感応性物質変換能力?」
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7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/02/22(火) 02:03:08.59 ID:/pndMPNTo
夜。満腹し、早々と眠りに就いたインデックスから離れ、小声での会議が始まる。
「だから、科学的に一〇万三〇〇〇冊分の記憶を削除しちまえば――」
「はぁー、やっぱり上条ちゃんはおバカですねー」
「なん……だと……」
「人間の脳は一四〇年分の記憶が可能なのですー」と、小萌先生が先生モードで続ける。
「そもそも『記憶』とは一つじゃなくて言語や知識の『意味記憶』、運動の『手続記憶』、思
い出の『エピソード記憶』なんて具合に、色々あるものなのですよ? いろいろー」
「ん? ちょっと意味が判らないんですけど」
「俺にもさっぱりだ」
「つまりですねー、記憶はそれぞれ容れ物が違っているのでー、『意味記憶』にどれだけ知識
を詰め込んだからって、『エピソード記憶』が圧迫されるなんてことはあり得ないのですー」
「ってことは、え?」
「え?」
「そうです! だからその話には嘘があるのですよー」
「……ッ! そうか、教会が一〇万三〇〇〇冊の所有者を縛るために――」
「え?」
「記憶を消す、という『メンテナンス』を理由に細工入りの『首輪』をつけた、ということだ
と先生は考えるのですー」
「クソっ! 奴ら、何てことしやがるんだ!」
「ちょっとあいつらボコってくるわ」
「二人とも待つのですー。そんなことより、いまやらなくてはならないことを考えるのです!」
「あ、はい。そうですよね」
「ちっ」
「『教会』が取りつけたということは――」
「魔術、になるんでしょうね」
「だよな」
「そうだ! それなら俺のこの右手でッ!」
全力で駆け寄り、キメ顔でインデックスのおでこに触れる上条。しかし現実は非情である。
「あれぇ? 何も、起きない?」
「あのー、上条ちゃん? 触れるだけで解除されるなら、もうとっくにー」
「そ、そうですよね。だったら何が……」
「簡単に触れないところにスイッチがある、とかな」
「え?」
「え? ええー?」
「か、上条ちゃん! だだ、ダメですよ! 先生はそんな破廉恥なこと、許しませ――」
「いやいやいや、かか、考えてないですよ! もも、もちろん!」
「お前……」
「ここは先生が! 女性ですからッ!」
そして男二人、玄関から追い出される。
「おい、もし……」
「言わないでくれ。考えないようにしてるんだから……」
「ああ、そうだな……そうだよな……」
「上条ちゃん、入っていいですよー」
「で、先生……?」
ビシッ! と、親指を立てて小萌。
「大丈夫なのです! この問題は健全に解決できるのです!」
「おおっ」
「……よかった。本当によかった……」
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