過去ログ - 上条「精神感応性物質変換能力?」
1- 20
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/02/22(火) 02:04:02.87 ID:/pndMPNTo
 ――テメェが『首輪』……『教会』の犬……その……ふざけた幻想……ぶち殺す……!

 亀裂が完全に開き、『何か』がこちらを見た。純白の光の奔流が上条に襲いかかる。右手が
白光に掴みかかる。
 激突は痛みも熱もなく、耳障りな音のみが流れ続ける。右手によって四散する光はそれでも、
尽きる気配がない。キリがない。
「くそ、この……」
 インデックスとの距離、わずか四メートル。届けば、触れさえすればすべてが終わるという
のに、近づくことがままならない。

「『聖ジョージの聖域』は侵入者に効果なし。他の術式へ切り替え、破壊を続行します」

「ッ!」
 光が勢いを増し、右手が痛みを感じ始める。畳に食い込んだ爪先が、引き剥がされつつある。
マズい。
 と、背後に着地の音。次いで、声がかかる。畏れも気負いもない声が。
「よう! 待たせたな」
 金色に輝く腕が現れ、その手が上条の右腕を強く掴み、支える。
「ああ、おかえり。……先生は?」
「ああ、気絶はしてたが大丈夫だ。問題ない」
「……そうか、よかった」
 二人分の力が、意地が、光の流れを押し返す。これで、倍だ。これが――

「警告。新たな敵兵を確認。戦闘思考を変更、検索……解析不能。『上条当麻』の破壊を続行、
優先します」

 ――倍加どころでない圧力が上乗せされ、上条の右手がゴキリメキリと悲鳴を上げる。
「なあ、この手。もう半分がとこぶっ壊れてるけどよ」
「うん?」
「全部イッちまって、構わねえよな?」
「ああ、当然だ」
「よし、そんじゃあ一発、いってみっか!」
「何か……楽しそうだな」
「そりゃ、な。主人公(ヒーロー)の背中押してやれる機会なんざ、滅多に味わえねえ」
「俺が主人公(ヒーロー)ってか。そりゃいいや」
「じゃ、行くぜ!」
「おう!」

「シェルブリットオォォ! ヴゥアッーッストゥオォォォッ!!」
「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオォ!!」

 カズマの背に光るコンマ型の円盤が、激しく回転する。アルターを推進力に変えて、白い光
を押し分けぶち撒き、インデックスの許へと突進する。骨の砕ける音が、ゴールへのカウント
ダウンを刻む。血飛沫が、二人の軌跡を染める。
 そして――

 上条の右手が身体ごと魔法陣を突き抜け、引き裂いた。
 そして――

 そのまま、上向きのカーブを描き、天井に開いた大穴から夜空へと射出される二人。
 そして――

「警、告。致命的、破壊。再生、不可……」
 半壊したアパートに独り残された、インデックスの声が、止まった。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
202Res/279.72 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice