過去ログ - 上条「…ディアボロ?」9
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321:『究極生物編』:第10話 ◆K/7LL5shls[saga]
2011/02/24(木) 21:32:58.78 ID:/UsOpIFz0

佐天「―――ンァ…」
佐天「(そうか―――寝てたんだっけ)」

『アジト』の『仮眠室』に設置された、
安物の、固いマットレスをしたベッドの上で、佐天涙子は目を覚ます。
昨夜の『逃亡劇』…『死闘』…そして『惨劇』。
単純に時間に換算すれば『24時間』に満たない間に起こった出来事に過ぎなくても、
その『密度』は、まるで15分ごとに山場が有る様に計算されている、
ハリウッドの2時間アクション映画も様に『ギッシリ盛りだくさん』で、
『血』と『暴力』と『恐怖』のオンパレードは、彼女をすっかり疲弊させていた。

佐天「(―――『音石明』の時は…こんな風にまいったりしなかったのにな…)」

あの時は頼れる『先輩達』…『空条承太郎』や『東方仗助』がいたし、
何より自分は『追い掛ける側』だった。御坂美琴を襲った時も、音石を追い掛けている時も。
言われてみれば、誰かに命を狙われて、どこまで追跡されるなんて事は、生まれてこの方初めての経験かも知れない。
誰かに『追われる』と言うのは…予想以上に精神に『クる』ようであった。

佐天「…………」

佐天はベッドで上体だけを起こして、傍らのベッドの『欠番個体』の寝顔を見た。
佐天の貸した服は血と脂でどろどろになってしまっており、また胸の所に大きな穴があいた為、
今着ているのは『カモッラ』のメンバーが適当に用意した服で、長袖のシャツを着て、象牙色の長ズボンを履いている。
顔には、爛れを隠す為のシップが一枚貼られていた。

欠番個体「――――スースー…」

静かな寝息を立てながら、『欠番個体』の少女は泥の様に深く眠っている。
昨日深夜に『研究所』を脱走して以来…ようやく得る事が出来た束の間の安息であった。

佐天「…………」

そんな『欠番個体』の寝顔を見つめる佐天の瞳には、実に複雑な感情が揺れている。
自分の軽率な行動が、彼女に重傷を負わせる事になってしまった事への『罪悪感』と、
そして彼女が見せた、あの恐るべき『青い死神』の姿に対する『恐怖感』と『嫌悪感』、
そして、『被害者』の…しかも自分の『友人』である御坂美琴と同じ顔をしたこの無垢なる少女に、
『恐怖』や『嫌悪』を抱いてしまう自分自身への『自己嫌悪感』…
そんな様々な感情が、佐天涙子の胸に蟠り、渦巻き、煮詰まり、彼女の心をかき乱す。



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