323:『究極生物編』:第10話 ◆K/7LL5shls[saga]
2011/02/24(木) 21:38:50.79 ID:/UsOpIFz0
佐天「…………」
佐天はベッドから降りて、『欠番個体』の少女のベッドに腰かけると、
彼女の綺麗なシャンパンゴールドの髪に指を絡ませる。
欠番個体「――――スースー…」
佐天「…………」
ビックリするほど透き通った…赤ん坊の様に無垢な寝顔であった。
顔はこんなにも同じなのに、御坂美琴のそれとは全く違う寝顔…
欠番個体「――――スースー…」
佐天「…………」
こんな顔をした少女が…あんな『殺戮』をやってのけるなんて…
この目で目撃していなければ、まるで信じられない様な『事実』。
欠番個体「――――スースー…」
佐天「…………」
―――いや…真におぞましき『事実』とは
こんな無垢な寝顔をしている少女に、あんな恐ろしい『改造』を施した連中が存在していると言う事ッ!
『ネオドレス』…考えれば考えるほど許し難い連中ッ!
佐天「――ゆりかごのうたを♪――かなりやがうたうよ♪――」
佐天「――ねんねこーねんねこ♪――ねんねこよ♪――」
『欠番個体』の少女の頭を優しく撫でながら、
佐天涙子の口から紡がれるのは…美しい声色の子守唄だ。
佐天「――ゆりかごのうたに♪――びわのみがゆれるよ♪――」
佐天「――ねんねこーねんんえこ♪――ねんねこよ♪――」
佐天涙子は思いだす。
最初に出会った時の、子犬の様に怯えた彼女の姿。
この娘は嘘をつけるほどに感情が成熟していない。
だとすれば、あの姿こそが、彼女の真実の姿なのだ。
佐天涙子は思いだす。
『怪物』の姿から戻った時の、垣根帝督が問い詰めた時の、
彼女の無表情な顔に浮かんだ…確かな自分への『恐れの色』を。
『上辺だけ』の『怪物の姿』に惑わされてはいけない。
彼女は『恐怖』している。自分の内なるナニカに恐怖しているのだッ!
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