379:『究極生物編』:第10話 ◆K/7LL5shls[saga]
2011/02/24(木) 23:43:01.19 ID:/UsOpIFz0
舌のろれつも回らなくなった『欠番個体』は、
もう、何がなんだか解らなくなった頭で、ぼんやりと、
嬉しそうに、そして何処か妖艶に笑う佐天の顔を見上げた。
佐天は、『欠番個体』の手をぎゅっと握り、
空いた方の手で、『欠番個体』の唇に指先をなぞらせながら、
力強い、『意思』と『信念』を感じさせる声で言った。
佐天「大丈夫よ…あなたは一人じゃないんだから」
佐天「絶対にあなたの事を私が守ってあげる」
佐天「あなたを『自由』にしてあげる…そして…」
佐天の手は、『欠番個体』の唇を離れ、
今度は彼女の御でこを指先で擽りながら、宣言する。
佐天「楽しい事をたくさん教えてあげる」
佐天「料理もそう…お洒落もそう…そして」
指先を自分の唇へと当てて、悪戯っぽく笑う。
佐天「今の『キス』もそう」
佐天「絶対にあなたの人生を楽しくてうれしいモノにしてみせる」
佐天「―――その為に…私があなたを守る」
そんな不敵な佐天に、『欠番個体』の少女は、
両手の人差指で、自分の唇の端をぐいと持ち上げて、
『無表情』な顔に、無理矢理『微笑み』を作りながら、返事を返す。
欠番個体「ありがとう…とミサカは感無量に微笑みます」
欠番個体「あなたの言うとおり…」
―――夢で出会った『青年』の事を思い返しながら、
―――茫洋とではなく、『意思』の煌めきを感じさせながら、少女は言った。
欠番個体「―――ミサカはもう一人じゃありません」
―――そう言って今度は、自然に、無意識のうちに『微笑んで』いた。
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