過去ログ - 上条「美琴、愛してる」【鬱あり】
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319:鬱書 ◆lR7XigGLms[sage saga]
2011/04/19(火) 17:15:45.99 ID:5xKFYmQSO
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「ただいま!」
「おお、お帰り。ずいぶん遅かったじゃ……って、ええ!?」
私が病室に戻ると、当麻は目を白黒させて驚いた。
「親父!?」
「やあ、元気そうじゃないか?」
私の後ろから入って来た人が、軽く手を挙げて挨拶する。
当麻の父親、上条刀夜。
「あんなこと」の後に飛び出した恋人が、自分の父親を連れて帰ってきたら、それは驚くだろう。
「いやいや、仕事で近くに来たものだから、ついでに見舞いをと思ったんだがね。
病院の中で迷ってね、偶然彼女に会ったから、案内して貰ったんだよ」
「そ、そうなのか……それにしても美琴、ずいぶん時間がかかっ……」
そこまで言って、私が出ていった理由と、その前の「あんなこと」を思い出したらしい。
耳まで赤くして私から目を逸らす。
だから気づかない。
私の歩き方が、少しぎこちない事に。
私の笑顔が、少し強張っている事に。
「あ、ええと、あれ?そういえば親父、美琴を知ってたっけ?」
「ん?大覇星祭だったか?あの時に会ったじゃないか」
「ああ、……そうだっけ?」
「なんだ、ボケる歳じゃないだろ?いやそれにしてもだ。
そこの美琴ちゃんと付き合ってるらしいじゃないか。美琴ちゃんに聞いたぞ。
どこまで行ったんだ?ん?」
仲の良さそうな父子の会話。
息子に向けた刀夜さんの笑顔は、掛け値無しに明るかった。
さっきまで私に向けていたものと違って。
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