過去ログ - 上条「俺達は!」上条・一方「「負けない!!」」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
(関東・甲信越)
[saga]
2012/09/16(日) 00:23:20.86 ID:0dWViEp30
「……う、エンジェル様ぁ、エン、ジェル……」
祈るように火野は手首を握りしめる。
まるでそれは、神託を待つ預言者のようであった。
しかし、祈りは届かない。
「ふざけるな……エンジェル様だろ、エンジェル様なんだろぉぉぉぉおっ!!」
狂ったように叫び、火野は近くのサイドテーブルにあったガラスの灰皿を手に取る。
折れた痛みなど、完全に忘れていた。
そうして、それを何度も何度も指に向かってたたき付ける。
ミシリ、ボキリ、ゴキン。
様々な破壊音が広い部屋に響く。
何度も何度も、火野は骨が砕けるまで灰皿を振りかざした。
「ハァー……ハァー……」
完全に使えなくなった指を尻目に、火野は息を深く吐いた。
力が抜け、その場に座り込む。
憑き物でも落ちたかのような表情で、彼は呆然と天井を仰いだ。
「…………エンジェル様」
掠れた声で名を呼ぶ。
しかし、何も起こらない。
何も――
「――やぁ、どうも」
いや、何かが起きた。
火野は前へと顔を動かす。
誰かが、そこにいた。
誰かは分からない。
逆光で、シルエットしか分からないのだ。
ただ、警官には見えなかった。
「エンジェル、様……?」
呆然と、呟く。
ひたすら執着していたそれの名を。
「いいえ」
影は短く答える。
「そんなもの、居ませんよ」
断言するように自らの信じる物を否定する声に、しかし火野は、壊れたようにただ小さな微笑を浮かべた。
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