過去ログ - 上条「俺達は!」上条・一方「「負けない!!」」
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926:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[saga]
2012/09/17(月) 20:56:56.37 ID:0fxv+aZS0
『……?』

訳の分からない返事に、刀夜は首を傾げる。

とりあえず、刀夜には男の顔に覚えはない。

人違いでは? と返すほかない。

そうしようと彼は口を開きかけ――

『おや、お忘れですか? ほら、例の息子さんですよ』

さっ、と閉口した。

『……生憎だが、息子は君達の商売道具ではない』

淡々と告げて、刀夜は振り向く。

あれから数年経って、もう息子の事は忘れられていたと思っていた刀夜だが、そんな事はなかったらしい。

冗談じゃない、と思う。

ただでさえ、最近事故で息子は入院したというのに。

『あぁ、私はテレビ屋さんじゃありませんよ』

慌てる様子もない呼び止める声に、刀夜は振り返らない。

『じゃあ、何ですか』

さようなら、と最後に苛立ちを込めた一言を残して、彼はその場を離れようとした。

だが、

『――しがない、魔術師です』

『なっ――』

驚愕に、刀夜は立ち止まる。

目の前に、後ろにいたはずの男が立っていた。

混乱する彼に、変わらずニコリと男は笑った。

その笑顔には、恐ろしいほどの善意が満ちていて。

青い目が、全てを見透かすように刀夜を捉えていた。





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