過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.8
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14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/01(火) 23:39:57.97 ID:t89Ck0Vpo
「厨二病に感染されていなくても、こういうしかない子の父親になるよ。禁忌の子の……ね」

「……ああ」

そんなことは分かってる。

そのあたりは全部覚悟して今ままで来たんだ。

「子供がかわいそう、あなた達がかわいそう、ご両親がかわいそう……いくらでも同情はできるわ。

 ……けれど、私は……私達はそんなことしてあげない」

「……」

黙って黒猫の言葉の続きを待つ。

きっとコイツの言いたいことはこんなことじゃないはずだ。

「……ずいぶん空気が読めるようになったのね?ここで私の言葉をさえぎらずに、続きを待つなんて」

「お褒めに預かり光栄だよ」

黒猫は少しだけ振り向いて視線だけをこちらに向けた。

過去の俺を咎めるの言葉ともに。

だから俺はそれを皮肉って返してやる。

「同情なんてしてやらない。私でも、あやせでも、麻奈実先輩でもなく、

 あの子を選んだあなたを私は絶対に許さない。だから……」

そこでクルリと振り向いて満面の笑顔で、とても残酷でうれしい言葉をぶつけてきた。

「ありがとう、おめでとう、さようなら初恋の人」

なにもいえない。何も思い浮かばない。だけど何か言わなくてはならない。

だからこそ、俺は動いてない頭とカラカラの喉にムリヤリ仕事をさせてこういってやる。

「俺の方こそありがとう、そして悪かった。お前にばかりこんな仕事をやらせちまって」

「かまわないわ。それにこれは私が、私の意志でやったことよ」

「そうか……だったらこの場で、この言葉でお前に誓うよ」

「……聞かせて頂戴」

ああ、ホントに俺は、なんてバカな男なんだろう。

振った女にこんなこと聞かせるなんて。

「俺達が幸せになれないわけない」



END


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