過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.8
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856:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福井県)[sage saga]
2011/03/23(水) 22:42:20.59 ID:3bR2WwCzo
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さて、また時間は過ぎて二ヶ月後。つまり、俺が自動車学校に通い出して三ヵ月半が経ったわけだ。
途中、大学の方が忙しくて教習を受けられない期間もあったが、なんとか人が混み合う夏休み前には大型二輪免許まで取得できた。
そして今日は、俺が注文したバイクが届く日である。
大型二輪を取る少し前にバイクショップで注文し、今日の午前中にバイクショップの兄ちゃんが届けてくれる予定となっている。
俺が自室でソワソワしていると、机の上に置いていたケータイが震えた。

「は、はい。高坂です」
「高坂様ですね?バイクショップ○○の高橋と申します。あと三十分ほどでそちらに着くと思いますので、よろしくお願いします」
「は、はい。お待ちしてます」





「それじゃ、確かにお届けしましたんで。ありがとうございましたー」
「はーい。ご苦労様でしたー」

バイクの簡単な説明と、マニュアル、付属パーツを渡し終わると、高橋さんはバイクを運んできたトラックに乗り込み、我が家の前から去っていった。

「ついに……。ついに、来たか」

俺が購入したのは、HONDA VTR B-STYLE。もちろん新車だ。
赤城とショップに行ったとき、展示されていたコイツを見つけた。
赤と黒で構成されたカラーリング、バイクらしいフォルムに惹かれ、こいつにしようと即決した。一目惚れと言ってもいい。
こうやって目の前にすると、なんとも言えない満足感と高揚感が俺の心から湧き上がってくる。
その代わりと言っては何だが、しばらくはローン生活なんだけどな。
俺は一旦自室に戻り、あらかじめ買っておいたフルフェイスメット、ライダースジャケット、皮手袋を持ち、踝までガード出来るショートブーツに履き替えて外に出た。
装備を適当な場所に置き、バイクにキーを差してシリンダーを回す。
ヘッドライトが点き、エンジンの始動準備が整う。
俺はよく知らないんだが、今のバイクは昔に比べるとエンジンの始動がずいぶんと楽なんだとよ。
クラッチを握り、スタータースイッチを押すと……力強いエンジン音が轟き始めた。

「おお!」

たったこれだけのことなのに、俺は感動しちまったよ。この気持ち、わかるかな〜。
俺は暖機のためにエンジンを点けたまま、ジャケットを着て、手袋をはめた。あと数分で、俺は公道を初めて走行する。
ワクワクしながら暖機をしていると、家の玄関扉が開き、桐乃が出てきた。

「ちょっと。朝からうるさいんですけど」
「あ、すまん。あとちょっとしたら移動すっからよ。悪いけど我慢してくれ」
「あっそ。へぇ、バイク届いたんだ」
「おお、ついさっきな」

文句を言ってきたときは、思いっきり眉を顰めていた桐乃だが、今はなにやら興味深そうにバイクを眺めている。
女の子なのに、こういうモノに興味があるのかね。珍しい。

「これから乗るの?」
「おう、初ライドだ」
「キモ。なにイキイキしてんの」

フハハハハハッ!悪いが桐乃よ、今の俺にはお前の罵倒なんぞ通用せんぞ!まるでそよ風のようだ!
そんな俺の様子が気に入らなかったのか、桐乃はぷいっとそっぽ向いてしまった。フッ、可愛いやつめ。
だが何か言いたいことがあるのか、顔を背けつつも視線はこちらに向けられていた。

「どうした?なんか言いたいことがあるのか?」
「せ、せっかくバイク買ったんだから……その……」

ん?何を言い淀んでるんだ、コイツは。顔もやや赤いし。
俺がそんなことを考えていると、桐乃はやっと言いたいことを口にした。

「こ、今度!私を後ろに乗せなさい!」

大声でそう言った。
は?なに言ってんだコイツは?ああ、そうか。コイツ、道交法なんて知らないもんなぁ。
しょうがない、ここはお兄ちゃんがキチンと教えてやるか。

「そりゃ構わないけどよ。二人乗りするには、免許取得して一年経過しないと出来ないぞ」
「え……?」
「だからよ、最低でも一年は無理だ」

俺がそう言うと、桐乃はずいぶんと間抜けな顔をしていた。やっぱ知らなかったんだな、コイツ。



おわり


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