過去ログ - 俺の妹がこんなに可愛いわけがないSSスレ Part.8
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900:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(福井県)[sage saga]
2011/03/24(木) 16:58:30.17 ID:Rv5FFuxvo
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予定通りスタジオに着いた俺たちは、今は個別に仕事中だ。
あやせは何点かの衣装に袖を通し、修正して欲しい箇所を口頭で伝えている。俺はスタッフと打ち合わせ中だ。
先方には連絡済みなので、後日回答して欲しい事柄を聞いているだけだがな。
おかげで打ち合わせはすんなりと終わり、今は衣装合わせ中のあやせを離れたところから眺めていた。
加奈子の成長にも驚いたが、あやせも同様だ。
中学時代から変わらない艶やかな黒髪に、子どものような丸さが抜け、均整のとれたスタイル。
身長も伸び、俺とさほど変わらない。大人の女性らしさが加わり、若いのにずいぶんと色気を感じる。
そうだな。強いて言えば、栗山千明嬢から鋭さを無くした感じと言えばいいのだろうか。ま、察してくれ。俺は説明が下手なんだ。

「マネージャーさーん。ちょっと来てもらえますかー」
「はーい」

そんなことを考えていると、スタイリストさんからお呼びが掛かった。俺は小走りであやせたちの元に駆け寄る。

「今日、新垣さんから指摘された部分を修正して、また合わせてもらいます。日程を決めてもらえますか?」
「わかりました。今日は回答できませんので、明日以降でもよろしいですか?」
「それで結構です。出来れば今週中で」
「了解です」

スタイリストさんからの要求をメモし、俺はお礼を述べた。これでここでの仕事は終わりだ。
あやせが着替え終わったら、どこかで昼食を取って、また別の現場で仕事だ。

「それじゃ、今日はこの辺で。またお願いしますね」
「はい。よろしくお願いします」

スタイリストさんも含め、全スタッフが撤収作業を開始した。
俺はあやせに付き添い、控え室兼更衣室に向かった。




「それじゃ、表で待ってますんで。終わったら声を掛けてください」
「わかりました。……覗かないでくださいよ、京介さん」
「そんなことしませんよ。心配なら鍵を掛けてください」
「む……」

スタッフがいなくなった途端にこれだ。慣れたとは言え、はっきり言って疲れる……。
あやせは不機嫌そうな顔をしながら、更衣室に入っていった。
俺は近くの壁に寄りかかり、一息吐いた。

「はぁ……。あやせも変わんねえなぁ」

そんな愚痴が、自然と漏れ出てしまう。
確かに、女子中学生には衝撃的な出来事だったとはいえ、七年も引っ張って疲れないのだろうか……。
俺は大いに疲れているよ。現在進行形で。

「ま、自業自得か」

そう割り切らなければ、やってはいけない。いけないのだが……もう少し態度が柔らかくなってもよくね?
とりあえず、今日一日の辛抱だ。なんとかやっていくさ。
決意を新たにしたところで、更衣室の扉が開き、事務所に来たときと同じ、清楚な格好をしたあやせが出てきた。

「お疲れ様です、新垣さん」
「お疲れ様です。次の予定は?」
「ちょっと間が空いて、2:30から渋谷で行うトークショーのリハです」
「じゃあ、その前に昼食ですね」
「ええ。じゃ、移動しましょうか」

そう言って、俺は再びあやせの後に付き添った。
それにしても、あやせの不機嫌度がアップしている気がするんだが……。もしかして、さっきの独り言を聞かれたか?


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