10:松本晶[saga]
2011/03/03(木) 18:34:10.49 ID:2rhgDyLL0
* * *
家に帰ると朝倉さんが待っていた。
「あら、長門さん。お帰りなさい」
「っ!」
「あらあら、驚かせてごめんなさい。合い鍵、前に貰ったでしょう? ご飯、お裾分けに来たから」
「・・・そう。いつも有り難う」
「いいのよ、好きでやってるだけなんだから、気にする事なんて無いわ早く食べましょう?」
「わかった」
「そうそう。お風呂は良いの?」
「冬だから、まだ」
「深夜になると寒くて辛いわよ。食べたら直ぐ入った方が良いわ」
「・・・そうする」
「はいはい、じゃあ食べましょう。いただきます」
「いただきます」
カチャリと音を立て箸をとる。メニューは・・・珍しく一品だけの、カレー。
「ごめんなさいね。手を抜きたかったわけじゃ無いんだけど、今日は時間が無くって待たせるくらいならこれを作ろうかなって」
「ありがとう。これ以上を求めたら、罰が当たる」
「ふふふ・・・・長門さん。何か良いことでも有った?」
「・・・有った」
「そう。良かったわね」
にっこりと朝倉さんが笑う。いつもながらに思うが、やっぱりこの笑顔は一生かかっても真似できそうにない。
本当に、朝倉さんは羨ましい。
「あら何? どこ見てるの私の顔に何か付いてる?」
「何も。眉毛が少々」
「・・・いいけど、長門さんって私には遠慮がないわよね」
「友誼の証」
「っぷ、ふふふふふふふふ」
「・・・どうしたの?」
「ううん、長門さんがこのままこんな風に変わっていったら、私は嬉しいなって思うの。もしかしたら、今日は新しい友達でも出来たのかしらね?」
その通りだったけど、あまりにその言い方が確信めいていて私はむすっとしてご飯に集中した。
それでも、朝倉さんは笑っていた。
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