18:松本晶[saga]
2011/03/04(金) 00:26:25.76 ID:8cQHTaIl0
* * *
「・・・・さん」
「・・・・・・」
「・・・門さん」
「・・・・・・」
「長門、さん!」
「ゎっ・・・・!」
「驚かせてごめんなさい。一生懸命何を見ているのかしら?」
「あ、えっと・・・秘密、だから」
「あらあら、ならしょうがないわね。私はお邪魔みたいだし・・・何より日直だから。今日は悪いけど先に行くわね」
「そう。・・・いってらっしゃい」
軽く、手を開閉させるだけのようなぎこちない『いってらっしゃい』に、朝倉さんは大振りで返してくれる。
「じゃあ、また夜にね!」
「そう」
やっぱり素っ気なくしか返せない、いい加減自己嫌悪だなぁ。
「長門さん、お早う御座います。ここで挨拶を交わすのも中々奇妙な気分ですね」
「お早う、有希!」
古泉君と、涼宮さんが後ろに居た。
「さっきの方は?」
「・・・朝倉涼子。マンションが一緒で、仲良くして貰っている」
「ふぅん・・・一度話してみたいわね。それよりちょっといいかしら」
涼宮さんが私の頬をなにやらぐにぐにと弄ってくる。
「・・・・なに?」
「有希、やっぱり学校でも無口キャラなの? 私はそれでも良いし、むしろ有希はそうあるべきなんだと思うわ。
でも、余計なお世話の十回自乗でしょうけど、笑ってる方が友達ができるってのも確かよ。有希は笑ったら可愛いんだから」
「・・・・・・・」
顔にまんべんなく血が通っていくのが判る。私の周りの人たちは、よっぽど私の顔が赤くなるのを見たいらしい。
「からかわないで欲しい」
「からかってなんかいないわ」
「それと、私はそうそう表情を出さないタイプだと、資料にあったから、これは不味いはず」
「あら、有希。貴方まだ最後まで読んでいないのね? それは高校一年度分資料の記載、二年度分では『表情の乏しさに変化あり』とあったわ。
だからきっと大丈夫よ。寧ろ、そうやって赤くしてるのに無理矢理表情だけ固めてる方が面白い顔になっちゃう。
それにしても年度ごとにこうやって資料を作るなんて、機関だっけ? こっちの古泉君の後ろ盾もよっぽど暇なのかしら」
「涼宮さん、そうでもないようです。僕もこっちの僕に多少の興味がありましたから、挨拶に伺おうかと彼女-----メアリー・タイター嬢でしたか、にメールで打診したのですが・・・・生き馬の目を抜くというか、師走に相応しいと申しましょうか。『最終決戦』とやらが関係しているのでしょうかね、そう言う顔合わせに使う時間も惜しまざるを得ない様相だそうです」
「そういえば、それにも文句があるの。留守番を私に押しつけて楽しそうに『最終決戦』だなんて。不思議の一つや二つ、見せてくれるかと思ったのに。平行世界移動なんて、やってる方からすると至極退屈よ!」
そうなのかな。私は夢があって楽しいと思うけど。
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