過去ログ - 長門「------の消失」
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22:松本晶[saga]
2011/03/04(金) 10:33:50.45 ID:8cQHTaIl0
 * * *

「長門、問二番」

「ピコ・デラ・ミランドラ」

「正解」

これが唯一、まともな会話。

 * * *

 一限目。二限目。--------中休み。

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 長門有希行動要項1(日中の行動について)−3(休み時間について)

  *必ず真っ直ぐに部室に行くこと。もともと毎日欠かさずそうしていたため、変更はひどく危険である。

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「・・・ふぅ」

 何とかばれず乗り切ったとか、そう言うほどのことですらない。なんと私は一度も話しかけられずに休み時間を迎えてしまっていた。

「はぁ・・・・」

 これが、いつも通りなのだろうか。物語のタイプとして、こういうときはシンデレラとして華やかにデビューを飾るものじゃないのだろうか。

 おとぎ話というのは得てして都合良く出来ているものだと判ってはいるけれど、それでも目に見えた違いがないと、物語は成立しない。

 まぁそれでも宇宙人と私が入れ替わっても気づかないなんて、知っている私にはコメディじみた面白さがある。

 でも気づかれないと言うことはもしかして・・・・私はそんなに宇宙人っぽいのかな?

 憂鬱と、溜息。

「・・・・・はぁ」

 そもそもこんな性格だって好きでなった訳じゃない。いやいや、誰かに責任を押しつけられるような悲劇のヒロイン然とした理由なんて有るはずもないんだけれど。

 ただ何となく暗くなってただ何となく話しかけられなくなった。朝倉さんみたいな子と、せめて小学校の頃くらいから友達だったら少しは変われていたのかも知れない。

 性格が暗くなって。

 人があまり多いと辛いから、廃部寸前の文芸愛好会に入って。

 市立図書館でだって、一人では何も出来なかった。

「・・・・・・・」

 まぁ、でも、あんな手助けが得られるなら一人で居るのもいいのかもしれない。

 彼は、いつ帰ってくるのか。

 彼は、私に会ってくれるのか。

「はぁ・・・・・」

 中休みの文芸愛好会は、最初から最後まで私一人だった。


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