29:松本晶[saga]
2011/03/04(金) 17:27:34.14 ID:8cQHTaIl0
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12/20
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「さて、不思議探索二日目、行くわよっ!」
土曜日、全国で進学校を除いた高等学校は、須く休校している。例外に漏れず北高も休みであった。
私たちの元居た方の世界では、こう毎日不思議探索をすることはなかった。特に休日は尚更だ。
朝比奈さんと鶴屋さんの書道部が無い都合の良い日だけを選んでいたし、休日をいつも共にするには高校を跨ぐ形式はかなり不便でもあったから。
加えて光陽園の物理教諭が基礎からの教育を旨とし、レポートを週末ごとに大量に出題してくるとか。だから週末の探索は基本的にしないこととなっている。
「籤を取って頂戴。短く折られた楊枝の二人チーム、長いままの楊枝のチームの二つに分けるわ。あたしは先に引いておいたから」
「・・・・じゃあ、まず僕から引きましょう。」
手で取っている様子を隠して、古泉君が抜いた。
「分かりましたぁ。じゃあ、これを・・・・」
続いて同様にして朝比奈先輩が一本を引いた。
「・・・・・」
私が一本。
「余り物には福来たるっさー!」
全員が引いたところで、奇妙なことが起こった。引いた順番に開示したのだったが・・・
「何? あたし、一本多く折っちゃったのかしら?」
私、涼宮さん、古泉君。短い楊枝が三本になっていた。
「おやおや。奇妙なことも有るのですねぇ」
とぼけた彼が、後で後ろ手に隠して折り取った楊枝の切れ端を捨てるのを見てしまった。言わぬが花、なのかも。
まあ私が口を出しても迷惑だろうし、放っておく。
「さて、午前の探索は桜並木と、神社方面に分かれるわ。
あの子の言った言葉をヒントに探すのはちょっとシャクだし、殆ど有ると判っているのに見に行くのは不思議探しとしていかがなものか、とも思うわ。
けど、一つここで見ておくのもいいと思わない? 本当は喋る猫が一番見たかったんだけど、手がかりが無いからしょうがないわ。
午後はね、とびっきりの情報を鶴屋さんから貰っちゃったの。そっちに行くから、楽しみにしておいて」
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