過去ログ - フリッジクロック
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60:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/03/06(日) 23:53:22.39 ID:cWK+k8160
「はい。ああ、『罪口』との取引は初めてですか。」

 ここで笑顔が営業スマイルっぽくなった。
 つまり嘘くさくなった。

「『罪口』は一般客からは『代償』を以って商品をお渡しします。
 特別にその義手はサービスということで…。」

「ならこれも超サービスでいいじゃないですか!?」

「…」

 どう考えても義手>釘バットだろう
 値段的に考えて。
 ウガー!!となった愛織を、どうどう、と『心理定規』が静める。

「いやぁ、あんまりサービスしすぎると、本家から睨まれて粛清されてしまいかねませんから。」

 申し訳なさそうに頭をかく。

「…。」

「納得していただけましたね?なぁに、簡単なお手伝いをしていただきたいのです。」

 膝を詰めてくる積雪だった。
 何をさせるつもりなんだこの親戚のおじちゃんは。
 超とんでもない人間に『家族』を名乗られてしまった。
 お兄ちゃん…。
 『家族』を思い出す。
 懐かしむ。
 しかし積雪の出した人物名が衝撃的すぎた。
 猶予さえ残されないほどに
 余裕さえ食いつぶされるほどに
 愛織の頭はその人間の記憶で支配された。


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