過去ログ - まどか「仮面ライダー?」翔太郎「魔法少女?」映司「魔女?」
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6: ◆WDUU7xtdEo[saga]
2011/03/05(土) 08:57:44.48 ID:bltTvwEeo
***

季節は春を迎えていた。桜並木は満開を迎え、風都の風に吹かれて桜の花が空を舞う。
この街にとって欠かせないランドマークでもある風都タワーは、とある事件で倒壊したが今は再建され、
今日も大風車が静かに風を受けて回っていた。

そして、その大風車を望む事の出来るビリヤード場の二階に鳴海探偵事務所はあった。

いかにもな雰囲気を漂わせる事務所の一番奥、ハードボイルド小説と、依頼された案件のものと思われる
書類のファイルの山とに囲まれながら、いかにもハードボイルド風な格好をした青年、左翔太郎が
タイプライターと向かい合っていた。しばらく何かを思案していたが、静かにコーヒーを一口含み、
フッと鼻を鳴らすとタイプライターの音を鳴らし始めた。

『風都にも春がやってきた。新しい季節の始まり、新しい生活の始まり。
 街に吹く風も、そんな新しい日々を迎えようとする人達を祝福するように、今日も穏やかに吹いている。
 そして――』

スっと顔を上げ、次の文面を考えようとして――

「なーに、浸っとるかぁ!」
「っ痛ぁ!?」

パチーンと、小気味良い音が事務所の中に響き渡った。後頭部を襲う衝撃、その勢いのまま、
最近買ってきたばかり電燈に額を強かに打ちつけ、翔太郎は悶絶した。
「てめぇ……亜樹子ォ! 何しやがる!?」
「それはコッチの台詞よ、翔太郎君。最近仕事ないからってフ抜けちゃってるんじゃないの?」
大きな溜息が漏れるのを聞きながら、翔太郎は痛む額をさすりつつ、その溜息の主を見上げた。
そこには、この鳴海探偵事務所の所長が、仁王立ちで腕を組んだ鳴海――ではなく、照井亜樹子が
やや派手な服装に身を包んで鼻を大きく広げて憤慨している姿があった。
「まったく、少しは営業努力くらいしなさいよね。ここ最近、事務所の依頼人の足がパッタリだよ?
 やっぱり、この前やったチラシ作戦続けとくべきだったよねー、うんうん」
と、何を納得してるのかわからないが力強く頷く亜樹子。
それに辟易といった風な表情を翔太郎は浮かべた。


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