過去ログ - 上条「誰を助けりゃいいんだよ……」
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2011/03/05(土) 20:53:43.45 ID:VPiHbgWD0
「御坂妹だよな?」
胸のペンダントを確認しつつ上条が問うと、少女は首をこくんと肯いた。
「はい。ミサカの検体番号は10032。
貴方が『御坂妹』と呼称している個体に間違いありません、
とミサカは肯定します」
「連絡がつかないって聞いたけど、元気そうだな」
「そうでもありません、とミサカは今度は否定します」
無表情のまま首を振る御坂妹。
「ミサカが連絡不能になったのは、ミサカネットワークが切断されてしまったせいなのです
と、ミサカは眉尻を下げ困り顔で解説します」
無表情のまま困り顔の御坂妹。
「切断ってどういうことだ?」
「そのままの意味です、とミサカは理解力の無いあなたの頭を心配しつつ話を続けます。
ミサカはミサカネットワークから切り離されてしまったようなのです」
いつも繋がっているネットワークに繋げない。
その通信機能に普段頼っている御坂妹は、突然の出来事に戸惑っていた。
「そりゃまた、何で?」
「それが分かれば苦労はしません、
とミサカは『馬鹿ですか?』と聞きたい気持ちをぐっとこらえて和やかなコミュニケーションに努めます」
「……すいません、馬鹿で」
「謝ることはありません。貴方が悪いのではないのですから、とミサカは母性あふれる笑顔で慰めます
ところで、病院へ行って調整してもらえれば治るかもしれない、とミサカは考えているのですが……」
始終無表情の御坂妹は、若干上目遣いで上条の顔を覗き見た。
「……送れってことか?」
「おお、とどうせ伝わらないだろうと思っていたミサカは貴方の察しの良さに感嘆の声を漏らします」
無表情だが若干頬を染める御坂妹。
なぜそこで頬が染まるのかについては、上条には知る由も無い。
「うーん……まあ、いいか」
「……忙しかったのですか?
と、ミサカは何なら聞き分けのいい女の子を演じてみようかと考えるのですが……」
「いやいや。演じなくていいから。行くよ。体に何かあったら心配だもんな」
上条が承諾すると、御坂妹の表情が少し明るくなったように見えた。
鈍い上条にも分かる程度に。
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