137:1だよ[sage saga]
2011/03/15(火) 00:09:24.44 ID:FZQCDlOv0
「今日、倒れたのに?」
答えられない。
別に肉体に疲労が溜まっていたわけではないと思う。
こうなってしまってからは自身の状態がより細かくわかるようになった。
倒れたのは恐らく、美琴のせい。具体的には彼女の放った“あの言葉”が原因。
「なあ、かみやん」
「なんだよ」
「いったい何があったんだ?」
「それは聞かない条件だろ」
携帯電話を貸し出す条件は三つ。
一つ目は荒事、他人を陥れるような目的には使わない。
二つ目にプライバシーを侵害するような真似はしない。
そして三つ目は、これ以上―――――
「それを承知で聞いている」
「言いたくない気持ちがわからない訳じゃない」
口調が変わり、より真剣な眼差しで尋ねる土御門。
「だがな、正直に言ってアレは異常だ」
「科学サイドから見ても、魔術サイドから見ても」
「どうしてあんなことになったのかが理解できない」
「傍にいたはずのレッサーもサーシャ=クロイツェフも知らないと言っていた」
「二人が見たのは結果だけ。過程は謎のまま」
土御門が聞いているのはインデックスの死について、ではない。
彼女の死因は憶測ながら、必要悪の教会から答えが出ている。
しかし彼の言う“アレ”は解明できていないらしい。
当然かもしれない。当事者たる少年は口をつぐんでいるのだから。
だがそれは決して、“言わない”ではなく、“言えない”
少年自身が理解できていないのに、何度聞かれようが答えることは不可能だ。
「……はぁ、わかった。もう聞かない。でもこれだけは答えろ」
「お前が……右方の……フィアンマを………」
そこで彼は珍しく躊躇うような顔を見せた。
「―――殺したのか?―――」
「ああ。俺が殺した」
即答する。誤魔化す理由も無い。やったのは自分。
だが、不思議と罪悪感は感じなかった。
それはきっと、[×××]から
土御門は少年がまさか躊躇せず答えるとは思わなかったのだろう。
まるで信じられないモノを見るような目をしているような気がした。
サングラスのせいでよくわからなかったが、それでも彼にはそう感じた。
それはきっと、[×××]から
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