過去ログ - 美琴「おかえりなさい、とうま」
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179:1だよ[sage saga]
2011/04/03(日) 18:47:24.45 ID:bkQZ6C1u0
 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



「あのー」

「…」

「そのー」

「……」

「美琴サン?」

「………メロンソーダ」

「ただいまお持ちしまするっ!」

運ばれてきた料理を私たちは(私は無言で)終えて、今では食後の一息をついていた。
おかわりを頼むと、まるで給仕の如く当麻はサーバーのほうへ突貫し、すぐさま戻ってくる。

「もういいよ。怒ってないから」

「……すまん」

「わかってないクセに」

「ゴメンナサイ」

きっと彼は私が不機嫌な理由を理解していない。(それがイラつく)
けれど自身が原因であると思って謝っている。(それはノーコメント)
そんな状況のせいでなかなか本題に入れなかった。

「話が先に進まない」

「そういえば……用件は何だったんだ?」

本当にこの男は……
もしかして昨日の部分だけ記憶が無いのでは?
と、言いたくなるのを堪える。

「昨日、いきなり倒れたでしょ。心配したんだから」

「あ……………悪い」

「おまけに連絡も来ないし」

「面目ない」

「当麻、さっきから謝ってばかりじゃないのよ」

「本当の事だからな。心配掛けてしまったのは。だから…ごめん」

本当に、申し訳なさそうに項垂れる当麻。
少し言い過ぎたかもしれない。
でも、凄く心配したことだけはわかって欲しい。

「で?」

「で、とはなんのことでせうか?」

「原因。わかってんの?」

「それは……だな………」

「それは?」

「その……イギリスに行ってたのは知ってるだろ?理由は話せねーけど。
 だから当然、学校も休んでた訳で……受けなかった授業の代わりに補習とか課題とか出されて忙しいんだよ。
 最近はそれら片づけるのに全力投球してたから、たぶん疲れが溜まってたんじゃねーかな」

それは本当かもしれない。
夏休みの際に当麻の課題を見せてもらったが、お世辞にも彼のアタマは良いとは言えない。
そして、定期的にイタリアやイギリスなどの外国に行っているのであれば尚更、勉学に遅れが出る。
しかも恐らくコイツは外に出ることに関して正規の手続きを踏んでいない。
であれば、当然、授業も学校側からはサボりとして扱われて出席状況も危ういのではないか。
一昨日までの私であったならば、彼の言に納得していただろう。

しかし。


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