186:1だよ[sage saga]
2011/04/03(日) 19:00:18.25 ID:bkQZ6C1u0
「…………なによ、ソレ、バカじゃ、ないの?」
その言葉が私にとってどんな影響をもたらすのか、彼は気付いていない。
仮に意図して言ったならば、普段から鈍感扱いされないはず。
「私は、私って、当たり、前の、事で、しょうがっ」
別に特別を貰ったわけじゃない。これは当り前の言葉。
けれど。
ソレには柔らかく、包み込むような優しい意味が含まれていて、
まるで、いまのままで良い、と言われたかのようで、
あたかも、等身大の自分を認めてもらえたかのようで、
先ほどの暗い気持ちが、涙腺を通して、外に流れようとする。
それを見られたくなくて、俯き、膝に添えた両手に力を込めて堪えるも、止まらない。
ぽろぽろと
ぽろぽろと
どうして当麻の言葉はこうまでして胸に響くのだろうか?
その所以はわからない。シスターズの一件から鑑みるに偶然とは思えない。
しかし、ただ一つ、わかっていることがある。
それは彼に出会い、知り合い、好いてしまった以上、他の男性を好きになれる自信が無いという事。
でもソレを認めてしまうのは彼に好き放題されているようで、なんだか癪に障るから。
だからせめてささやかな反抗の意を込めて言ってやるのだ。
「ばかよ。アンタ…………………ばかっ」
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