過去ログ - 美琴「おかえりなさい、とうま」
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212:1だよ[sage saga]
2011/04/07(木) 03:22:03.53 ID:9cfwBqj00

「(いやいやいやあんな場所に中学生を連れ込むなんてどこの犯罪者だよ)」

だが、問題の少女は普段の快活な様相は見る影も無く弱弱しい。
そんな様子に庇護欲と父性本能? が込み上げてくる。


己の矮小な風評と泣き美琴。


どちらを取るべきか余計に混乱してしまい―――結局。

「ああもうっ!! 美琴、こっちだ」

意を決してそこに入ることにした。
めでたくロリコン犯罪者になってしまった気分がする。
路地裏ということもあって、そこは日当たりが悪く、やや暗い。
まるで今の心境と行動の意味を表しているかのようだ。

「(さようなら俺の健全イメージ)」

ガラガラと音を立てて崩れていくソレに涙を呑んで別れを告げ、
付近の安全を確認する……懸念していた不良たちはどうやらいないらしい。
そのことにほんの少しだけ安堵して、持っていた鞄らを地面に置く。

「悪かった。ごめん。だからもう泣かないでくれよ」

振り返り、両手を合わせ、拝むような気持ちで謝るも返事が無い。
表情も見えない。だから不安になってしまう。
やはり友達発言を否定したのがダメだったのか?
しかしあの時言った気持ちは偽りのない本音。
彼女とは、友達と呼べるほど親しい、とは言えない。
出会うたびに電撃をぶつけられ、追い回される関係を“友達”と呼ぶ奴がいたら、正直ビビる。
けれど俺自身にとって彼女のことは(ビリビリを除けば)嫌いじゃない。
むしろ御坂美琴は好感が持てる人物だと思っている。


『美琴は美琴』


そう言ったのはちゃんとした理由がある。
昨日と今日とで彼女の様子が変わったような気がした。
加えて美琴からの提案など、今までの扱いからは到底信じられない。
とはいえ、その原因を訪ねても恐らくは答えてはくれないと思った。
だが、それらが俺にとって良いことであれ悪いことであれ、無理はして欲しくはない。
だからインデックスの言葉を借りて、暗に自身の気持ちを伝えた、つもり。


『とうまはとうま、なんだよ。
 家族って言葉も良いけど……ね。
 その……私にとってはコレが一番合ってるって、思うかも』


恐らくインデックスは上条当麻に対して、在りのままで良いという気持ちを込めていたのだろう。
これは言われた側への、全てに対する許容。
互いの関係が変わろうと、変わらないモノがある、そんな意味。


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