215:1だよ[sage saga]
2011/04/07(木) 03:26:32.07 ID:9cfwBqj00
「(あたたかい………な……)」
彼女から伝わるオンナノコ特有の柔らかさや、服越しからでも感じられる体温、
そして髪から香る甘い匂いに思考が侵され、ぼーっとする。
だけでなく。
常に感じていたインデックスを失った悲しみが募る一方で、
どこか満たされる想いも感じてしまう。
哀しい のに あったかい
シスターの時とは異なり、此処にココロの触れ合いは―――無い、はず。
しかし肉体的な意味で、人との触れ合いによって感じる温かさが心を癒してくれていた。
「(なに………やってんだよ…俺は……)」
自分の願いと実際の行動との矛盾に自嘲し、無意識のうちにため息がこぼれる。
先ほどそう在りたい関係を言葉にしたはずなのに、ソレを壊しているのは他ならない自分自身。
少なくとも彼女とはこんなことをするような間柄ではないのに。
だが、その事実に気がついていながらも、両腕は動かない。
それはきっと―――
「(わかってる)」
美琴からの提案を断れなかったのも、全ては―――
「(そんなことぐらい、わかってるっ、のにっ)」
美琴が振り解こうとしないのをいいことに
インデックスの時もこうしたからと言い訳をして
欠けた心の隙間―――孤独感、寂寥感を埋めるために必死で
美琴のぬくもりに溺れていた。
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