過去ログ - 美琴「おかえりなさい、とうま」
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23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/07(月) 00:09:42.88 ID:ZudnnFql0

「(当麻に喜んで欲しい)」

独り暮らしの男性なら女性から手料理を振舞ってもらえれば嬉しいはず。
私としても好きな人に自分が作った料理を食べてもらえるだけでも幸せ。
さらに美味しいと言われようものなら………ヤヴァイかもしれない。
ヤバイではなくヤヴァイ。ここは重要なところだ。

「美琴。着いたぞー」

どうやら思考を飛ばし過ぎていたらしい。
上条当麻なる人物が住んでいる一室の前に辿り着いていた。

「えっと…鍵は」

左手に持っていた荷物を置いて、ポケットをあさる当麻。
普通逆じゃないの、と突っ込みたくなる。

「(やっぱ変)」

そこまでして私と手を繋いでいたいのか? いや嬉しいけどさ。

「(寂しいのかな?)」

嬉しいのに、喜べない。
それはきっと理由が欲しいからか。
彼が求める理由がわからないから、ソレを聞いて安心したい。
でもそれは中で聞くことにする。今はただただこの瞬間を噛み締めよう。

「開いた。中に入ろ――」

「ちょっと待って」

「なんだよ?」

「私が先に入るから当麻は30秒後に入ってきなさい」

「……なんで?」

「すぐにわかるから」

会話を区切り、彼から手を離して上条宅に侵入。
こちらが落ち着く前に入ってこられると困るので鍵を掛けた。
ドアの向こうからは、意味わかんねーよ! つーかなんで鍵まで!? と声が響いている。

話が変わるかもしれないが、当麻は一人暮らしだ。
いつからその生活を続けているのかはわからないが、独り暮らしなのだ。
男子高校生であるとはいえ未成年の子供がそんな生活で精神的に正常で在り続けることは難しいと思う。
学園都市には様々な人が集まるも、そのほとんどが親元を離れ過ごしていくことを余儀なくされている。
そんな状況で、能力開発だの授業だのを続けていくことは厳しいはず。
それらに疲れて、帰りついた場所には誰もおらず、声をかけてくれる人がいないのはとても寂しい事。
私には黒子――――大切なパートナーがいてくれるからさみしくなんかない。
部屋に戻ってきたとき、出迎えてくれるあの子の声に何度救われたことか。


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