過去ログ - 美琴「おかえりなさい、とうま」
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232:1だよ[sage saga]
2011/04/18(月) 20:31:50.28 ID:jaWTsVB+0











「――――――」












当麻の唐突な奇行、何の脈絡も無い抱擁によって思考回路はショート寸前。
意中の男性から、ということもあって意識が飛びそうになり、落ち着こうとして、でも出来ない。
激しい運動をしていたわけでもないのに、心臓の鼓動は加速し呼吸が乱される。
しかし、この抱きしめられている状況で、ハァハァするのは変態と思われそうだ。
だから荒れる呼吸を無理矢理抑え込み、平然としようとして………………失敗した。
口気呼吸から嗅気呼吸に切り替えたのがダメだったのか、
鼻から通して伝わる当麻成分によって脳髄を侵される。


「(とうまの におい)」


もちろん、とろけさせているのはソレだけではない。
彼に包みこまれるようにして抱かれているので、四方八方あらゆる包囲から感じる当麻の感触、
そのおかげで私と彼の物理的な距離はゼロに等しく、視界を占める当麻(近過ぎるため顔は見えないが)
上記二つでも対処に困るのに、新たに加わった“におい”が私を殊更思考停止へと追いやっていた。


そして―――


頭部から感じる、当麻の手。
それはどこまでも温かく、優しかった。
彼の行為はいくら人目を避けているとはいえあまりに過激で、
本来なら気恥ずかしさが込み上げて暴れていたかもしれない。
それを出来なかった、というより出来なくしたのは単衣に彼のこの行為―――撫でているせいだろう。
その年下扱い、子供扱いに不満を感じるはずなのだが不思議とそれは無かった。
感じるのは安心感。ただそれだけ。


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