過去ログ - 美琴「おかえりなさい、とうま」
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284:1だよ[sage saga]
2011/05/31(火) 17:41:46.50 ID:AsBa+XRL0


「美琴?……っておまっ、なんで泣きそうな顔でこっち睨んでるんだよっ!??」
 

だよね。まだ付き合ってすら……ないんだよね。妄想……か。
自然ため息が出てしまう。息と共に先ほどまで頭に孕んでいた熱も混ぜていたのか、急激に冷めていく気がした。

「なんでもない」

「そんなわけねーだろ」

「本当よ。さっきすれ違った二人の雰囲気に当てられただけ。アンタだって見たでしょ?」

「そりゃ………見たけど…だからって…」

「女の子にも色々あんの。そしてこの話はおしまい」

無理矢理な理由で話題を打ち切ると、当麻はどこか釈然としない表情で、しかし頷いた。


きっと。


さっきのカップルの空想会話の前半分は私の願望。
鈍感な想い人をいつか振り向かせてみせる、そんな願いを込めた望み。
流石にあの呼称は私の描いたものではないと信じたいが、たぶん憧憬への揶揄を無意識のうちに含めていたのだろう。
別にあんな風に呼び合いたいだなんて思ってるわけではない。

歩きながら、ふと、思う。
今の私たちの様相を第三者側から見たらどのように見えるのだろうか。
年下の少女に手を引っ張られる年上の少年。
なかなかシュールかもしれない。

当麻はこんなの嫌かな?
なんだかんだで男だ女だ年上だ年下だを気にしそうな輩であるのだからやはり不愉快かもしれない。
この場所に来る前に悩んでいたときに懸念していた事柄―――独り善がり―――に今更気がついて後悔してしまう。
当麻は考えていることがモロに顔に出そうな人、要するに隠し事が下手っぽいと思うので、ソレを確認するために後ろを振り向こうとして―――止めた。


――――――もし、迷惑そうな顔をしていたらどうしよう。怖い。


今までの“私”だったら、 この御坂美琴サマと手を繋ぐことができるんだから感謝しなさいよねっ! など言えたかもしれない。
アホだ。この鈍感が裏に秘められた気持ちを読み取ってくれるはずがない。
恐らく いや全然嬉しくね―から など言いそう。
じゃあ解く? と言っても……それは……正直に言って………まだ手を繋いでいたいです、ハイ。
つまり、自分から手を離したくは無い、けれど当麻の嫌がられることはしたくない、しかしそれを確かめる勇気が無い、ということ。


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