過去ログ - 美琴「おかえりなさい、とうま」
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41:1だよ[sage]
2011/03/08(火) 03:42:22.61 ID:mOFeQ5t30

「このまま現状維持だそうだ」

「え? でも……なんで?」

「詳しい理由は教えてはくれなかった、でもな」

「…」

「兄貴のほうも今から無理矢理にでも帰るらしい。だから心配するな、って言ってたな」

納得できない。
でもどうすればいいかわからない。
もしかしたらなにか事情があるのかもしれないから。
そしてそれを私は知らない。何も出来ない。

「取りあえず私はもうお暇するなー。あとこれを贈呈するぞー」

そういって舞夏は何かの鍵を差し出す。

「兄貴から預かっていたんだが、御坂が持っていたほうが有効活用できそうだからなー」

「………でも……………私は……」

もちろん意に沿わない形とはいえ、欲しい、と思う。
どうせなら持ち主から直接預かるほうが嬉しいが。
だが、それとは関係なく――――――

「御坂が置かれている状況は全部じゃないがある程度は聞いているぞー」

「なら――――――」

知っているならば何故渡そうとするのか?
むしろ彼女のほうがソレを有効活用できるはずなのに……

「それを承知で渡すんだなー」

「舞夏?」

「御坂が持っていたほうが意味があるからなー」

なかなか受け取ろうとしない私の手を掴み、握らせる。

「これは勘なんだがなー。私はこの件に深入りできないと思うんだ」

悲しそうに、何かを諦めるようにして、微笑む。
そして玄関先に向かい、帰ろうとして、振り返って言った。

「時間が時間だからなー、あまり遅くならないようにするんだぞー?」


キィー


バタンッ


ドアが閉まる。


静寂――――――








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