51:1だよ[sage saga]
2011/03/09(水) 00:26:20.74 ID:7f1o9zsU0
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「で、これはいったいなんでせうか?」
ひとしきり“わらい”終えた後で冷静になって考える。
そこで、皿に下敷きにされて留められている紙を見つけた。
丁寧に引き抜き、折りたたまれているそれを開き、中に目を通す。
『当麻が寝てしまったので、取りあえず帰ります。
既に見ていると思うけど夕飯は作っておいたから。
台所に汁物もあるからそれもどーぞ。
どんな理由があんのかは知らないけど、溜めすぎは良くないわよ?
困った時はこの美琴せんせーに相談しなさい。
本当に心配したんだから、バカ当麻。
御坂 美琴 』
「―――――――――――――――」
何と言えばいいか、わからない。そんな風な表情を少年は浮かべた。
その置手紙をそっと折りたたみ、改めて彼女が作ってくれたものを見る。
「―――――――」
ゆっくりと、おそるおそるラップ越しに触れて、当たり前かもしれないが指先から感じるそれは冷たい。
しかし、ほんのりと胸のどこかがあたたかくなるような気がして、あの手のぬくもりを思い出した。
いったい何をしていたのか?
彼女が振り解かないのをいいことに、手を繋いで、まるで縋るように離さなかった。
あまつさえ部屋に招き、勝手にぶっ倒れて迷惑をかけてしまった。
そしてなにより―――――
「―――――食うか」
ぼんやりとしたまま少年は台所に向かい、彼女が残してくれたものを電子レンジに入れて温めなおす。
さらに鍋に弱火を掛け、閉じられていた蓋を開け中身を確認。
冷えているはずなのに食欲を誘う香りがして、胃がまた空腹を訴えるように音を鳴らした。
そのまま出来上がるまで、虚ろなまま立ちつくして………
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