過去ログ - 美琴「おかえりなさい、とうま」
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9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/06(日) 00:36:27.12 ID:r9n19+zk0

〜とある学生寮の一室〜【上条当麻】

ツンツン頭の高校生こと、上条当麻はテーブルに向かって勉強をしていた。
正直に言って頭は悪いほうなので、たびたび補修なり追加課題を出されてしまう。
いつもに比べれば、課題ははかどっているほうだ。その事実が彼にとって少し寂しい。
部屋に響く筆音が、それだけしか無い事実が、ひどく不愉快に思える。

「だめだな。やめよう」

そう言って、テーブルに広がった道具一式を片づけ、しまう。
後方に倒れ仰向けになる。虚しい、悲しい、そんな気分だ。
すると、ベッドに置いてあった携帯電話が鳴りだした。
手にとって確認すると送り主は御坂 美琴。
どうやら電話らしい。だが、今は出たくはなかった。
ベッドにそれを放り投げ、独り物思いにふける。
しかし着信音は止まない。仕方が無いので電話に出ることにした。

「なんだよ。ビリビリ」

『当麻?今何してんの?』

ふと、何か違和感を覚えたが、それが何かはわからない

「何って……なにもしてねーけど」

『じゃあ、暇なの?』

「そうだな」

『ならいつもの場所に来てくれない?』

「お前――――――」

断ろうとして、それは止めておいた。このままの状態はあまりよろしくない。
ならばこの誘いに乗って気を紛らわせよう。

「わかったよ。今から行けばいいのか?」

『うん。待ってる』

通話を終えて、のそのそと外出の用意をする。
学生服のまま勉強していたので特に着替える必要もない。
コートを羽織り、マフラー、手袋を準備して、携帯と財布を所持する。
あのビリビリ中学生からの呼び出しで良い思いをした事は無いので、一応財布の中身もチェック。
先日仕送りと僅かな奨学金が入って来たばかりなので、余裕はあるようだ。
電気、ガス栓を確認して、靴を履き、ドアを開けて。

「じゃあ行ってくるな、インデッ――――――」







―――――その言葉がどれだけ無意味で、どれほど当たり前だったのか―――――







「……行くか」

上条は虚ろな心のまま待ち合わせの場所へと向かった。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇






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