過去ログ - 死んじゃわない彼女と夢見がちな僕等
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5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/06(日) 13:27:41.39 ID:M4hWSeDR0
「ん?そうか、なら行って来い」
先生は特に気も留めず、返事をした。
長年、教師をやっていればよくあることだ、昨日も途中退出した奴もいるしな。
どうでもいいらしいので、僕はさっさと席を立つ。
おっと、そうだ。
僕は教室を出る前に、数少ない友人である奴のがっしりとした肩を叩いて小声で話しかけた。
「戻ってこなかったら、荷物、よろしくな」
「ちっ……サボりかよ。わーったわーった、行って来い」
奴は僕を快く送り出すと、なぜかカイロを渡してきた。ありがたく受け取ろう。
教室の扉を開けると、机に伏せていた生徒が顔をあげる。
だが、俺が扉を閉めるときにはすでに顔を伏せ、教師の語らいを子守唄にして夢を見ている様子だった。
「あー……、変に沈黙が降りてると。結構勇気いるんだな」
まだ、すこしどきどきしている。
そんなことよりはやく行こう。
授業をサボった上に、自殺も止められなかったのでは話にならんからな。
北館へ行くには、校舎間にある通路を通ればいいのだが、一番の近道には教室がずらりと並んでいるのだ。
だから、少し遠くなるがその通路の反対側から屋上へ上がることにする。
教師に見つかるのも嫌だし、言い訳するのも面倒だ。
僕は自然と足を速める。そして屋上への階段を上りきり、扉を確認する。
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