過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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108:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/04/01(金) 06:34:06.37 ID:S6DZze8vP
フィアンマ「ほう。アドリア海の女王か。どうやら"天罰"は使わないようだな。いや、使えないのか? どちらにせよ、俺様相手には、いい判断だと思うぞ」

口ぶりから余裕の消えない彼の動きを読んでいたかと思えるほど、それは正確に撃ち出された

地面を砕いて現れた、巨大な氷の船。その船に備えられた、これまた氷で出来た大砲から、錨の形をした氷の塊が、後方へ逃れたフィアンマの体を正確に狙い撃ったのだ

空中で派手な衝突が起きる。氷で出来た2〜3mの錨が、ただぶつかったにしては、まるで分厚い鋼の壁に阻まれて砕けたかのように、派手すぎるほどの白い粉が粉塵を作った

ヴェント「……出たわね、"右腕"」

派手な白い粉は、細かく砕けた氷の錨のものだった。フィアンマの右肩から現出した"右腕"がそれを受け止め、握りつぶしたのである

フィアンマ「一応言っておくが、引き籠ったのは俺様の意思ではないぞ。だが、それで得られたものは大きかったがな」

宙に浮いたまま、握りつぶした錨の中で、一番大きかった氷塊をそのままヴェントへ投げつけた

彼女が着地した地面に、それこそ戦艦の手法による砲撃を思わせるような、クレーターの様な窪みが生まれた

しかし、その場所にヴェントはもう居ない。当然、避けたのである

クレーターから少し離れた巨木の枝の上に、彼女の姿は有った

地面に着地したフィアンマと、枝上のヴェントとの視線が交差する

フィアンマ「何処にいようが、時間をただ無駄に消費するのは馬鹿のやることと言うものだからな。特に――」

ヴェント「特に、こと"終末"では時間は無い、とでも? それとも、その右腕の使用制限のことかしらねぇ!」

金属のハンマーから射出された、サッカーボール大の光の弾がフィアンマの腕によって掻き消され、そして激しく光った

先程の光のものとは趣が違う。視界を奪うためのものだ

最初から眼つぶしが目的で放たれた光の弾から生じた閃光によって距離を詰めたヴェントの、ハンマーを振りかぶる音がフィアンマの耳に直に入る

だが、彼は特段何かをしようとはしなかった。逃げることも、"右腕"で守ることも

フィアンマ「半分は正解だな」

身を包むように吹いた突風で、フィアンマはその場所から離れることが出来ず、そのままヴェントのハンマーをその身に受けた

普通の人間ならば、簡単に体が折れてしまいそうな、鈍さを通り越した鋭い音が鳴る

ズザザ、と野球部のスライディングをそのまま派手にしたような音が響き、地面の上で滑りながら吹き飛ぶフィアンマ

20m以上の滑走がようやく止まると、そこへ禁書目録が駆け寄った

「大丈夫?! フィアンマ!」とお決まりのセリフを吐いた少女の頭に、優しく撫でるように手を滑らせて、立ち上がるフィアンマ

問題など無い、と禁書目録にもヴェントにも伝えているかのようだった


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