過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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113:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/04/01(金) 06:37:54.31 ID:S6DZze8vP
十字に鎚のあるハンマーを空中で振り、何かの模様を描くように白色の軌跡がその空中に残る

ヴェント「まーさーかー、そこに見えてる船がただ錨をぶっ飛ばすだけのドデカイ霊装だとでも思ってんじゃないでしょうねぇ!」

言葉と同時に、魔術の塊である氷の船に無数の亀裂が生まれた

ヴェント「私の根本的な属性は"空気"やら"風"。海の嵐のエピソードや特別な霊装を混ぜ込んだといっても、それは邪道なのよ。だったら私が"海の嵐"のエピソードを介するんじゃなくて、海の嵐というエピソードそのものを私に合う様に書き換えてしまえばいい。アンタの言った通り、同じ物事に見方はたくさんあるのだから」

気が付くとヴェントは空中に立ち、彼女の周りにはバラバラになった船であった氷の塊が浮かんでいる

まるで舞うかのように、光るハンマーをフィアンマの方へ振り向けると、それらは動き出した

ヴェント「単なる氷の岩雪崩程度には思わないで欲しいわね。これは、アンタを砕きつくすまで止まらないわよ」

隕石の様に、船であった幾千もの氷塊がフィアンマの体へ突き進む

それはフィアンマの体の目の前で爆発し、その衝撃と小さな礫となった氷がフィアンマの体を弾く

ヴェント「例え、その腕に制限も無く強大で攻撃にも防御にも万能でも」

更に小さな礫となった氷は、他の爆発した氷塊から生まれた氷の礫とぶつかり合って、即座にまた最初と同じくらいの氷塊となり、また爆発してフィアンマの体を砕かんと小さく分裂する

ヴェント「例え、その腕で爆発し、全てを吹き飛ばそうとしても」

爆発⇒散弾⇒集結⇒爆発の無限ループが、フィアンマの体を取り囲んでいた

それはもう、無限に続く至近距離でのショットガンの嵐。更には無数の氷塊が破裂する度に生じる衝撃が、攻撃対象の体の動きを奪い、呼吸すら満足にさせない

ヴェント「それを上回る圧倒的な数で、それこそ嵐の夜に身を叩く雨や雪や雹が数えられない様に。文字通り無数で攻撃し続ければ、相手がその厄介な腕だろうと金剛石の塊であろうと科学が生んだ訳のわからない物質だろうと、その形を保ち続けてはいられない」

コレがただの散弾攻撃ならば、全く脅威ではない。破裂するときに生じる衝撃が、散弾となった氷の礫が、それこそヴェントが止めようとするまで続くからこそ脅威なのだ

無数のそれらを吹き飛ばすという目的で、フィアンマがどんなに強い爆発をその中央で生じさせたとしても、それを覆い尽くす程の無数の小爆発の連鎖が同時に起これば、フィアンマの起こした爆発への壁となり、逆にその衝撃が爆縮して中央のフィアンマをグチャグチャに押しつぶす

そうでなくとも中央の攻撃対象を襲う為に発生する無数の衝撃は、同じ様に爆縮という形を取って徐々にその攻撃対象を押しつぶそうと働きかけるのだ

そこに止めの物理的な散弾攻撃。例え爆縮によって圧縮された衝撃にぶつかって弾けても、水という物質が壊れるわけではない。例えフィアンマに刺さるという形で消費されようとも、水など"空気"や"風"を司る高位な魔術師からすれば、その辺からいくらでも集められる

文字通り嵐。そして嵐の過ぎ去った後に残るのは、"破壊"のみ

そんなことが出来るのも、彼女が神の右腕であって非常に大きな力を持っているという事、そして最初からコレを隠しながら狙っていたという条件が満たされているからである

もちろん、無数の爆発音が響くので、フィアンマの悲鳴など聞えはしない

だが彼女の脳内にはその声が聞こえているかのようだった


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