過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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124:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/04/07(木) 05:54:45.01 ID:FFxqgSnVP

「………ぅ…………ぁ?」

突然、彼女の頭の中に急な電気信号が流れた。何度目かの、起床の合図

頭の中なのか、それとも視界内にある何らかの装置に出力された文字なのか判断できない。とにかく"起動"という概念が表示され、自らの拘束が外された

ふと気が付けばそこは、外だった。見えるのは壊れた建築物ばかり

これは自分が壊したロンドンの市街? いや、確かロンドンにはこんな地区は無かったはずだ

ならばここはロンドンではないのだろう。ならばアメリカの何処かか

そこまで考えて、彼女はふと気が付いた

(ロンドンを……壊した? 私が?)

ロンドンを? 天草式の仲間たちが住んでいて、必要悪の教会の仲間もいて、いつも行くスーパーのレジ店員とかご近所さんとかって知り合いだっているロンドンを、私が?

そんな有り得ないなことをするわけが、ない

そしてまた気が付いた

("仲間"? 仲間というのは、どの仲間の事を? どの?)

この言葉で導かれる情報

本来の彼女の脳は建宮や五和を始めとした、半分あやふやと言える天草式凄教などを挙げる

しかし他の3つの脳は、垣根帝督という名前を挙げ、そして駆動鎧という言葉や駆動鎧の姿を挙げる

一つのことから関連が遠い概念が出てくる。こんなこと正常ではない。混濁もいいところだ。それぐらい、何か忘れている気がするが、分かる

しかしなんだか、やかましい

ここは交戦中と言う名の虐殺中であるニューヨーク。爆発音とか悲鳴とか映画に出てくるような光線の飛び交う音とかが、そこらかしこで鳴り響いている

視点を、天へ向けた。直後、彼女の目の前に大きな何かが叩き落とされてきた

背からは翼を生やしていた。右半分が腕と足を含んで削り取られていて、そして道路に落ちてからは翼も消え、完全にその動きが止まった

記憶の中にある、駆動鎧。それはにこれまで共に戦ってきたことも有る上、少し形状は違うものの、英仏海戦で傷ついた自らを後方へ避難させてくれた存在でもある

記憶で、そしてアメリカに来てからの戦闘の際の実体験で、それは味方であり共通の敵を倒す仲間とも言えた

彼女は仲間が傷つけられて、感情が揺さぶられない様な冷たい人間ではない

しかし、そうして生まれた感情には矛盾があるハズだった

天草式凄教徒という大切な仲間を傷つけた張本人が、自分自身であったのだから


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