過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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143:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/04/13(水) 01:24:29.42 ID:FZ3GAiZ0P
「目的の違うものと、手を組む余裕は無い。それはお互いにとって不幸なだけだ」

窓の無いビルの中、人が逆さに浮かんだビーカーを前にして聞えた言葉を、彼は自身の口で出力した

無機質なその部屋に声が響く。表面的な変化はまるでない

("時項改変"そして"終末"をもたらした主因はアレイスター、彼自身。彼にとっては"終末"は臨むべきものだとでも言うのか)

(今になっても、彼の目的は分からない。学園都市存続の最大の危機であるにもかかわらず、彼は動かない)

(だからこそ、不確定要素だった"幻想殺し"つまり"相対するもの"を、私は殺せなくなった。だからこそ、味方に引き入れなくてはならなくなった)

(だが結果は、またも私を裏切った。姉君たち、身内だと思っていたもの達からの拒否。……ふふ、ユダに裏切られたイエスは、今の私の様な気持ちだったのかもしれないな。"終末"の救済・解決に失敗してしまったら本人に聞いてみることにしよう。おっと、人間でない私が会話出来るか分からないか)

状況を考えると笑えない冗談であるが、彼はそれを考えるぐらいの余裕は有るようだ

(ユダ、か。銀貨30枚で主を売った、裏切り者。同名を名乗る私を対して、良いネーミングセンスだと思うよ、トーヤ・カミジョー)

(君も、息子に負けないな。あらかじめこちらから裏切られないよう手を加えていたにもかかわらず、"負け組"達を抱き込んだのには驚かされたよ。高々30人程度有力者が集まっただけで、ヒトラー暗殺計画だったヴァルキューレ作戦の様に、事がうまく進まずに失敗するだろうと考えていたが……)

(学園都市から爆撃機を奪い、あらゆる組織内部にいる"負け組"による妨害工作で軍や諸機関を機能不全に落ち込ませ、そして、土壇場でローマやイギリスの魔術師勢力を味方に引き入れ陽動を行って軍の注意を完全に自分たちから逸らせた)

(まるで全てが彼に利する様に進んでいるように思えるな。私や私の部下たちの暴走の歯止め、自浄作用程度に考えていたのは完全に間違いだった)

(これだけの行動が出来るなら昇進コースから離れてしまったところで、いくらでもCIA内で返り咲くことは出来たと思うがね。どうして部下であった御坂旅掛よりも下のクラスで留まっていたのか、そんな小さな自尊心など気にしないのかもしれないが、不自然だ。出世を嫌う理由が何かあると考えられるが)

(そんなことを考えている余裕はない、か。まずは目の前の問題を解決しなければ―――)

そう思った瞬間の事である

彼のいる部屋の扉が派手な音を立てて吹き飛び、一人の少女が飛び込んできた


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