過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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206:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/04/28(木) 09:17:03.19 ID:+nFCoQzZP
遂に、その時が来てしまう

一方通行が見ていた数値の大きさの問題だ

光の球となっていた佐天涙子最終個体であったもののエネルギー量が、今現在一方通行の扱えるもの以下にまで削られてしまったのである

そしてその情報は、当然その光球を相手にしていた破壊神である巨人も掴んでいる

巨人にとっても、主敵として捉えるには既に弱くなり過ぎていた

小バエの如く近寄ってくる小粒な球をその三又鉾で一際大きく突き飛ばすと、光球は打ち出された弾丸みたく23学区の方へ大きく吹き飛んで行った

そして高らかとその鉾を天へ構えると、そこに膨大な熱量が灯る

一方「………まァたアレかよォ!?」

最大限干渉して威力を弱めんと、地面を強く蹴飛ばして跳び立った彼は、そのまま雷が裂けるような音を放って音の壁を突破した

彼の移動だけで、それまでの光球と巨人のぶつかり合いで瓦礫だらけとなった第7学区の表層の建物が衝撃に巻き込まれ、かろうじて生き残っていた柱たちが軒並みボーリングのピンの様に弾かれたように倒壊していく

最早、巻き込んでしまう恐怖へ、なり振りなど構っていられなかった

自分へ好意を、少なくとも敵意や恐怖ではない感情を向けてくれている数少ない人間が集まった病院にすら、遠目に大きく亀裂が入って、へし曲がってしまっている

流石にあの医者がいる場所であるのだから、そして学園都市の病院であることも考慮して、患者達を非難等はさせていると思われたが

一時的な退避の後に、仮にあの悪夢のような巨人をどうにかしたとして、新たな患者や既存の患者、つまりミサカネットワークからハズされてしまった打ち止めが何か新たな問題を発現させた時に、治療に必要な器具が無いではどうしようもない

だが、彼がその巨人の行動に気付いた時は既に遅かった

さっきの同じ攻撃よりも余程短い、言うなれば"天使の力"の凝縮時間の後に放たれた熱光線は、3つに分かれ学園都市を焼き始める

チャージ時間が短かったことで、先程とは違い、それらは一か所に着弾してその周辺を巻き込んで爆発するように溶かし尽くすでは無く、コンパスで円を描くかのように、3つに分かれた熱光線は学園都市の表層に大きな円形の溝をなぞるように作っていった

それまで執拗に光球の相手をしていたのとは、攻撃対象が異なる事がハッキリする。純粋に、より高効率で少しでも広く学園都市を灰燼にすること

一方通行は飛び上がったまま上空で、真っ赤に光を発して溶けそして炎の上がった攻撃の跡を、連日のことで所々荒野の様になってしまっている学園都市を、見た

"打ち止めが殺された記憶"の中に有る光景と、破壊の方法こそ違えど、似通ったものを彼は感じる

一方(……違うじゃねェか)

まだ早い。それは、彼がその絶望的とも言える光景を見ての、直感だった

一方(……俺が見たかもしれねェ絶望とは、コイツは違じゃねェか)

まるで破壊の運命であったかのように崩れた学園都市を見て、それでも一方通行は絶望しきってはいなかった

必要性が無くなったとはいえ、それでも自らの補助演算を続けるミサカネットワークと、構成する妹達が作り出す電波を感じる事が出来たのだから

それは、身動きのできない第三次製造計画の妹達も健在であることを示している


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