過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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208:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/04/28(木) 09:18:21.20 ID:+nFCoQzZP
揺れる、揺れる

一度出てきたその道を、彼は逆行していた

出るときは他に人間が居た。しかし今は一人である。目的地は、"イェスの間"

爆撃によって時折かなりひどく揺れる。その度に足を軽く取られてしまう

しかし、どういう理由なのかしらないが、その揺れの頻度は時間の経過と共に減っていった

(この分なら、辿り着く前に爆撃で殺される、なんてことは無さそうですね)

(ですが、道が使えないという問題があります。どうします、ここ)

再び地下施設にもぐった上条の目の前には、地下にあるべきでない地上の光が差し込んでいた

"地殻破断"によって地上から溶け崩された為に、目の前には大きな穴があり、穴の向こう岸になってしまった通路の続きにまで、跳躍でいけるかどうか

落ちたら火山の噴火口宜しくな光の中へ真っ逆様。右手が満足に動かない中ではリスクが大き過ぎる

(しかし、迂回するにもその道があるのかという疑問もあります)

(左側に突き出た太いパイプの上に乗れれば、なんとか行けるんじゃないでしょうか。この当麻の体は、基礎的な運動能力が高くなるように教育されたものですし)

上条「行きましょう」

と彼女はあえて言葉にし、少し助走をつけて、向こう岸から突き出た冷却装置か何かの一部であろう1mばかりのパイプの上に跳び移った

着地。都合のいい場所に拳大のボルトがあった為に、それを掴んでバランスを整えれば左手だけでも十分だった

だが、円柱形の上に乗る訳だから、その上を二本の足で歩くのは辛い。加えて、直下の奈落の底にある金属やその他の物の溶け混ざった高温液状物から昇る気体が集中力を妨げる

普通の人間なら、間違いなく簡単に咽てしまって、そのままバランスを崩して高温液状物の仲間入りだ

高々3mにも及ばない距離でありながら、彼はゆっくりとそのパイプの上を3本の手足で伝って行った

あと1m弱。いっそ跳んでしまおうか、と可能性を考慮に入れた時であった

上条「……そんなっ」

見た目から計算した上では上条の体重如き支えられるはずのパイプから、ガコンと何かが外れるよう音と揺れが生じ、そして

久々の爆撃による揺れが、彼を完全にそこから振るい落とさんと、地下施設を大きく揺らしたのだ


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