過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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209:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/04/28(木) 09:19:18.27 ID:+nFCoQzZP
落下――

体を支える為に掴まるべき場所は、有る。右側で突き出るように倒れた細い支柱だ

しかしその場所を掴むことが出来るのは、左手ではない。伸ばしても届かない。当然右足でも左足でもない。限界まで伸ばした右手。今は満足に動かせない右手

体の重力感覚が下方向へ引っ張られるのを感じ始め、彼女たちは覚悟する

上条当麻の復活の妨げになるのを覚悟で、能力を使うか

つまり、更に当麻を傷つけるのか、ということ

ほんのわずか0.01秒単位の間の出来事であるが、畜生、という思いが彼女たちの中に自然に生じた時だった

「……!」

まともに動かないハズの右手が力強く、掴むべきポイントを握っている

そして、上条当麻という人間の筋力では考えられない力の強さで掴んでいる支柱に力を加え、その体を簡単に1m程奥の通路まで撥ね飛ばさせた

彼女たちがコントロールするその足で着地した時には、右手にはそんな意思をもう感じられなかった

今回が一番はっきりした形での、自立行動だった

("幻想殺し"、米称"相対するもの"である右腕から生じる、"淀みの意思"、とでも言うのでしょうかね。これは)

(意思ですか。仮にそれが当麻の意思なら、復活を行おうとした私達の復活作業に干渉してくる事は無かったでしょう)

(ならば、その意思は当麻のものではない、と?)

(しかも、今回は上条当麻の筋力では有り得ない領域の力が出ていました)

(力。それはもしかして、幻想殺し最大のブラックボックスである、"打ち消し"機能に必要なエネルギー理論と関係が在るのかもしれませんね)

(綺麗サッパリ対象を打ち消すためには、確実に全く同じ力の大きさが必要となる。対象がより大きな力を用いれば、それに対応した力が必要となり)

(そして、少しでも当麻の方が上回ってしまえば"打ち消し"以上の力として、その場に何らかの形で現れるはず。しかし、そんな事実は当麻の記憶には無かった。常に的確な出力をしている、ということ)

(どうやって対象を打ち消すに適した力を算出しているのか、そしてその力はどこから来ているのか)

(この"淀み"は、そこにも関わっているのかもしれません)

左手で右手を握り、彼はしばらくそれをじっと見る

そして、先へと足を進めた


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