過去ログ - 上条「なんだこのカード」 3rd season
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239:まだ10時代だよな……?[saga sage]
2011/05/07(土) 03:43:14.60 ID:sNwVsL2yP
「ラストォ!!」

ボストンからかなり離れた空で、一人の男の手が如意棒の如く伸び、爆撃機の胴を貫いた

周辺の味方機が叩き落され回避行動を取った無人の爆撃機を追って、垣根提督は随分とボストンから離れてしまっていた

爆撃を遠ざけることに成功した時点で、彼の役割は殆ど成功した、と言えた

後は爆撃で傷だらけになってしまったボストンに戻るだけ

垣根「ったく、どこなんだここは」

しかしながら、アメリカに来て数日の彼。当然、この場所がどこなのか分からない

適当に飛べば見つからないことも無いだろうが

垣根("君にしては随分と手間取ったようだね"、とか、ぬかしやがりそうだ)

体内を駆け巡る微小機械を経由して連絡を取ろうかと考えたが、前に上条当麻と話をすると言った時のように、返事は無かった

垣根(ビジーモード、か。まさか爆撃に巻き込まれてぶっ壊れた、なんてオチじゃねえだろうな)

そのまま、見える範囲にある都市の様子を見た。とりあえずは、破壊者が現れて人々の生活する街を破壊して回っている、なんて状況ではない

もしかしたら、たまたま見えている範囲がそうで無いだけかもしれないが

垣根(アイツが機能している限り、"終末"による面倒なクソ天使共が現れる確立は下がる。特にアメリカ国内は)

垣根(今のところは、一安心ってことになるが。偶然もありえる以上、確実を求めるにはやはりボストンに戻るかねえか)

垣根(仮にあのAIが失われれば、被害はアメリカだけじゃねえ。最悪、終わる)

そうなるという事実を、人間の襲撃者達は知らない

垣根「……知らねえ以上、その価値なんざ知りゃしねえのが人間だ。だから、知ってる奴がどうにかしねえとな」

そう呟いて、彼は太陽と景色の記憶を頼りに高速飛行を再開する

今の彼が知っていて、昔の彼が知らない価値。その最大のものは、命

しかし、命と言っても、命の重さだのとか言った仰々しく青臭さのするようなものでは無い。親しいものを失った事がもたらす、己の喪失感、絶望感だ

主体はその命の持ち主ではなく、己。このことを彼自身は理解していた。そして、結局は他者ではなく己の感情や意思が、己のすべてを決めているということも

基本は、全く変わっていないのである。学園都市で暗部をしていたころも、一人の人間を失った今も

人間離れした彼において、そして彼だからこそ、それが人間の本質であると悟り

そして少し、彼は悲しかった


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